毎年、この時期になると「ゴルフ場利用税」の話題が出てくる。年末にかけて行われる与党の自民党税制調査会で次年度の増減税や新税の方針を決めるからだ。その際に、毎年繰り出されているのが「ゴルフ場利用税の廃止」論議。ただ、これまでいつも跳ね返されてきた。
11月19日には超党派ゴルフ議員連盟(衛藤征士郎会長)の会合が開かれた。今回は廃止ではなく「非課税措置の拡充」を求め、これまで「18歳未満と70歳以上」が非課税であったのを「30歳未満と65歳以上」に対象の拡充を要望するというものだ。2020年度税制改正に向け、政府・与党との調整が続いている。
これまでは「ゴルフ場利用税の廃止」が旗印だった。ゴルフ場利用税はこのコラムで何回か取り上げているが、いわゆる「ぜいたく税」とも呼ばれる。各都道府県やゴルフ場によって金額は異なるが、1200円が上限とされている。戦後にできた娯楽施設利用税が1989年(平成元年)の消費税導入で廃止された際に、ゴルフ場利用税だけが残った税金だ。消費税との二重課税で、不公平というべきか、不公正な税金の取り方が続いている。
納税額としても小さくない。2017年度(平成29年度)で447億円。これを都道府県が30%、市町村が70%の配分で、地方の一般財源となる。ゴルフ最盛期には700億円を超えていた。
非課税の対象を拡充する方向を訴える
これまでは「完全廃止」を訴えてきたが、どうやら税金というのは「正論」ではだめらしい。廃止して財源がゼロになったら、配分もゼロになる当たり前のことが受け入れられず、廃止したら他の財源から補填しろという「既得権」が優先され、それでは廃止しない、という繰り返しだった。
同議連に「拡充」の要望書を提出したのが、日本ゴルフ協会、各地区ゴルフ連盟やゴルフ関連団体に加え、日本スポーツ協会、そして日本オリンピック委員会が参加するゴルフ場利用税廃止運動推進本部(29団体)だ。
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