iDeCo加入の投資初心者がとるべき唯一の行動 「含み損」を抱えてしまったらどうする?

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せっかくiDeCoやNISAに加入したのに、含み損を抱えてしまった初心者はどうすればいいだろうか?(写真:kou/PIXTA)

このところ、日経平均株価が2万2000円台を割らなくなるなど、比較的堅調なマーケット状況が続いています。しかし、米中通商摩擦は多少の動きはあっても短期間で大きく進展することは難しいでしょうし、英国のEU離脱問題や、香港の問題も依然として不透明な状況が続いています。そんな先行き不透明な状況において、iDeCo(個人型確定拠出年金)や、つみたてNISA(少額投資非課税制度)を始めている方は、どう考えているでしょうか。

中でも、これらの制度を通じて「投資」を初めてやった方の中には、「このまま続けていていいだろうか? いったん換金して様子を見たほうがいいのではないだろうか?」、と少し迷いが出てきている方もいるのではないでしょうか。

下落時には損失から逃れたいという衝動に駆られる

2018年から始まった「つみたてNISA」、iDeCoという愛称がついて2017年から利用できる範囲が広がった「個人型確定拠出年金」ですが、いずれも利用者は130万人を超えてきました。両制度ともに税制上の恩典があるということで、「初めて投資信託を買ってみた」という方は多いと思います。

もちろん、投資信託は元本保証のあるものではないことはわかってはいたものの、マーケットが不調で、実際に自分の保有する残高が元本割れしているのを見ると、やはり気分は滅入ります。

そういう感情は、投資初心者の方だけではありません。行動経済学におけるプロスペクト理論でも人間は本質的に「損失回避的」といわれているように、誰でも「損」は嫌いなのです。そこで、マーケットが下落している時は、その損から逃れたいという気持ちになります。

つまり、目の前からこの「損」という事実を消してしまいたいという衝動に駆られるのです。その結果、下がった時には売ってしまうという行動を取る人が出てきます。

残念なことに自分の運用に高い関心を持って価格を頻繁に見ている人ほど、こんな心理に陥りがちになります。ところが、持っている投資信託を売って、そのマーケットから退場してしまったら、その後のマーケットで回復、値上がりがあったとしても、その恩恵を受けることはできなくなります。

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