なぜ経営陣は「困った上司」を野放しにするのか 部下をつぶす中間管理職には共通点がある

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当たり前ですが、売り上げを上げないと経営は成り立ちません。しかし、経費のほうはどうなのでしょうか。人が休む、いなくなるということに対しての危機感が薄いと言わざるをえません。1人休職者を出せば、短期間であっても、その人の年収の2倍から3倍の費用が掛かります。

本人に支払う休業期間中の費用のほかに、既存職員の残業代やパート職員など代替要員、教育や採用をはじめとするさまざまなコストが発生するからです。既存職員にも負荷がかり、パフォーマンスは、さらに悪化します。

ツケは必ず回ってくる

さらに離職となると、負担はもっと増えます。職業人口は減っていく中、人材を確保することが年々難しくなってきており、採用に関する費用は侮れません。また、それを行うための現場負担は、教育も含め言うに及ばず、です。

また、単純に問題の上司と仲がよく、仕事外でも親しい関係性を持ち、「問題なのはわかってはいるが、何とかうまくやってくれ」というスタンスの経営者も見られます。

これでは人材の定着は望めませんし、よもや優秀な人物はいなくなります。今すぐに経営破綻を起こすことはなくても、近々会社を手放す予定でもないかぎり、長い目で見れば大きなマイナスです。最も重要な人材を大切にできないツケは、後で必ず回ってきます。

しかし、何とかしたいと思っても問題となる人の引き取り手(異動部署)がほかにないというケースもあり、悩ましいところではあります。いずれにしても、該当者への教育は必須ですし、個人に仕事を抱え込ませないことも大切です。

どの仕事もそうですが、誰かがいなくても仕事が回るような連携体制を整えることが重要です。できる人がいると、安心してほかの人は手を出さなくなったりしがちになりますが、その人にしかわからない業務は、多少時間をかけてでもシェアを試みることを推奨する必要があります。

「○○さんがいないとわからない」というようなことをなくすことは、結果的には、不正を防ぐのにも有効です。

また、わかりやすく明確な評価や、適宜、部署異動を行うことで、風通しをよくすることは、働きやすい職場の条件でもあります。同じ人物下で不調者が多発したり離職が続くのであれば、根本的な対処が必要です。

どうか見て見ぬふりで人が潰される職場が減りますように。

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