「フェイスブック」から抜け出す具体的方法 デジタル・ミニマリストになるには
次に、デジタル・ミニマリストに移行するための最善のプランを示そう。私の経験からいうと、習慣をちまちまと変えていく方法は成功率が低い。注意経済(アテンション・エコノミー)が提供する製品は人の注意を引きつけることに特化しており、またその便利さも摩擦抵抗となって、それから逃れようとするあなたの力を弱めるからだ。気づくとあなたは、スタート地点に逆戻りしているだろう。
だから、一気に移行してしまうことを勧めたい。十分な決意を持って、短期間のうちにやり遂げてしまう方法だ。このほうが成果は長続きする。これから提案する短期決戦のプロセスを、私は“デジタル片付け”と呼んでいる。
ボランティアに1600人が参加
これは家の大掃除のようなものだ。長年ためこんできた注意をそらすツールや習慣性のある行為をまとめて処分し、その代わりに、より意識的な行為をミニマリストらしく最適化した状態で呼び戻し、それまで生活から締め出されがちだった大事なことを中心に据え直す。
2017年12月初旬、私は自分のメーリングリストの購読者に向け、デジタル片付けの基本的なアイデアを要約したメールを送った。「来年1月にデジタル片付けを試し、進捗を報告してくれるボランティアを募集しています」と。手を挙げてくれる勇敢な読者は40人から50人くらいだろうと思った。ところがその予想は大きくはずれた──1600人を超える読者が参加してくれたのだ。私たちの集団実験は、全国紙でも取り上げられた。
デジタル片付けの3つのステップを、実験参加者の体験例とともに示そう。
必須ではないテクノロジーと切り離された生活は、初めはつらい。気晴らしや娯楽があるのが当たり前になっているのに、必須ではないテクノロジーを日常生活から取り除くと、その期待が満たされなくなってしまうからだ。人によってはこの状態を不快に感じるかもしれない。
しかし集団実験の参加者の多くは、そういった不快な感覚は1週間から2週間で消えたと報告した。
若い経営コンサルタントのダリアもやはり、実験開始から数日の間、無意識のうちに携帯電話を取り出してはSNSやニュースのアプリをすべて削除してしまったことを思い出すという行動を繰り返していたという。携帯電話に残っていた、最新情報を確認できる唯一のものは天気予報アプリだった。
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