「フェイスブック」から抜け出す具体的方法 デジタル・ミニマリストになるには

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デジタル・ミニマリストは、自分が心から大事にしていることを基準に利用すべきテクノロジーを選び、注意散漫の元凶たる新しいテクノロジーを充実した人生を支えるツールへと変貌させる。多くの人がますますスクリーンにコントロールを奪われていると感じ始めている中、デジタル・ミニマリストはその呪縛から解放されている。

ここで注目したいのは、デジタル・ミニマリストの哲学は、世の中の大多数の人がとくに何も考えずに採用しているマキシマリスト的な哲学、すなわち、新しいテクノロジーが目にとまったとき、それにほんのわずかでもメリットがありそうなら取りあえず使ってみようという姿勢とは好対照をなしていることだ。

マキシマリストは、どれほど些細な事柄であろうと、面白そうなこと、価値のありそうなことを自分や周囲が見逃すかもしれないと考えただけで不安になる。

チャンスを見逃しても気にしない

実際に、私がフェイスブックを一度も利用したことがないという事実を公言し始めたとき、仕事で付き合いのある人たちは、まさにそのマキシマリスト的な理由から驚愕した。

そして驚かれるたびに私は「どうしてフェイスブックを使うべきだと思います?」と尋ねる。「どうしてと言われても困るけれど」と彼らは答える。「でも、何か役に立ちそうな情報があるのに、それを見逃しているかもしれないでしょう?」。

この意見は、デジタル・ミニマリストの耳にはばかげたものとして届く。なぜなら、理想的なデジタル・ライフとは、具体的なメリットを最大限に享受できるよう、自分が使うツールを意識的に取捨選択することで作るものと考えているからだ。

彼らは、自分の時間と注意を無意味に削り取ったあげく、役立つどころか損失をよこしてくるような価値の低い活動を極度に警戒する。要するに、小さなチャンスを見逃しても気にしない。それよりも、人生を充実させると確実にわかっている大きな事柄をないがしろにすることのほうを恐れるのだ。

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