9500万円の賠償も!自転車事故の恐ろしい実態 自転車保険の加入を義務づける自治体が増加

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自転車が第1当事者となった事故について、自転車利用者の年齢をみると、16~19歳が465件で最も多く、次いで20~24歳278件となっています。自転車は交通ルールを知らなかったり、運転が未熟であったりしても利用することができます。しかし、とくに、対歩行者の事故では重篤なケガを負わせてしまう可能性があるのです。

自転車保険加入を義務づける自治体の多くで、自転車利用者の保険加入はもちろん、未成年の場合はその保護者、業務で利用する場合は事業主に利用者の事故を補償する保険加入を、自転車小売業者・貸付業者には加入有無の確認を、学校長には自転車を利用する生徒とその保護者に情報を提供することを、それぞれ定めています。

広がる自転車の利用

自転車は、二酸化炭素などを発生せず、災害時に機動的であること、健康増進・交通混雑緩和などの経済的・社会的な効果があることから、2017年に自転車活用推進法が施行されました。この法律に伴い、各自治体では、自転車専用道路の整備やシェアサイクル施設の整備や、交通安全に関わる教育や啓発を行うことを盛り込んだ、自転車活用推進計画を策定しています。

地域資源を生かしたサイクルツーリズムの取り組みも広がり、国内の自転車の販売台数は、減少傾向にあるものの、自転車の利用目的や嗜好の多様化も相まって、自転車の存在感が増していると思われます。

一方で、近年、イヤホンで音楽を聴いたり、スマートフォンを見ながら、といった危険な走行があることが指摘されています。歩行者側も歩きスマホなど、危険な歩き方が増えていますし、高齢者の増加に伴い、想像以上の大けがにつながってしまう恐れがあることが指摘されています。

今後も、自転車利用の広がりとともに、保険加入を義務づける自治体は増えていくと思われます。自転車を利用する方は、交通ルールを確認するほか、他人にケガを負わせてしまった場合に、せめて賠償できるよう備えておくことが大切です。

村松 容子 ニッセイ基礎研究所保険研究部 准主任研究員

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むらまつ ようこ / Yoko Muramatsu

死亡・疾病発生リスクについて、統計的にその発生状況を算定すること、および、消費者調査を通じて消費者がどのようにリスクに対応するのかを研究。国が公表している疾病統計以外にレセプトデータ、健診データ、健康に関する消費者の意識調査などを使ってさまざまな視点から分析している。ニッセイ基礎研究所の著者ページはこちら

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