――加工メーカーとの交渉もバイヤーがやっているとは驚きです。こだわっているのは原材料だけではないんですね。
原材料の豆を生産者がどう育てているかも、すごく大事です。けれどもいい原材料であっても、焙煎や袋詰めの過程がよくなければ、おいしくなくなってしまいます。焙煎がゆるいと、クルミはとくにえぐみが出てきてしまう。逆に焙煎を強くしすぎると焦げ臭くなります。バランスをとりながら、もう少し火を入れてもらうとか、そういうことをして仕上げました。
――そこまで細かい指示を出して、加工メーカーに嫌がられないですか?
メーカーさんもモノづくりの人なので、そこまでこだわって作ったことがないからうれしいと言ってくださいます。切磋琢磨して作り上げた商品が売れると、お互いにうれしいですよね。
バイヤーは、こだわりをポップでアピールしたり、売り場でどこに置くかなど、そういった指示もしています。すると、発売後に売り場を見にきたメーカーさんが「すごくいい場所で売ってくれて本当にうれしかった」と言ってくれたり。それが次の商品につながっていきます。
チョコレートの売り上げを回復させたアイデアとは
――成城石井のバイヤーならではと思う仕事は、ほかにありますか?
「成城石井 ナポリタンチョコレート」は、使いやすいサイズの詰め合わせにし
――いろんな種類のチョコレートを少しずつ食べたいですもんね。この商品は売れましたか?
すごく売れました。これが出るまでは箱詰めの製品が当たり前でした。10年以上前は輸入品のチョコレートがたくさん並んでいる店は成城石井くらいでしたが、だんだんほかでも売られるようになり、売り上げは落ちていました。それがこの商品を入れたことで、売り上げが回復したんです。今では売り場の半分から3分の1くらいが、こういった商品です。
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