成城石井のトップバイヤーのすごすぎる仕事愛 商品開発までやるバイヤーの仕事術

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――ロングセラー商品には、どういったものがありますか?

ロングセラーを続けるオリーブオイル(撮影:今井康一)

「ネフェリ エクストラバージンオリーブオイル ティアドロップボトル」は10年以上売られています。どんどん新しいものが出るので、これだけの年数残るオリーブオイルは2~3品しかありません。

これは僕が初めて海外の展示会で買い付けた商品なんです。比較的いろんな料理に使いやすい、バランスがいいオイルで、コスパもいいです。

成城石井のお客さまは、おいしいだけでは許してくれません。おいしくて、手に取りやすい価格、それに品質。この3つのバランスが出ないと、買ってもらえません。

――ちなみに、このオリーブオイルは、どうやって見つけたんですか?

本当に運命的な感じでした。展示会の最終日、あと1時間くらいというときに、1人で道に迷ってしまい……展示会の会場って広いんですよ。そのときに見つけたオリーブオイルが、すごくおいしくて。自分で片言で商談して、輸入にこぎ着けたという商品なんです。そのときは10年も残るとは思っていなかったですね。

プライスカードはバイヤーからのラブレター

――仕事の範囲がとてつもなく広いですよね。大変と感じることはないですか?

濱田さんオリジナルレシピのチョコチップが入ったスコーン。価格は取材時のものです(撮影:今井康一)

成城石井のバイヤーという仕事は、すごく面白いと思います。自分たちで物を作れるし、輸入もできます。ある程度の会社になると、バイヤー、開発、マーケ、輸入とそれぞれ専門の担当がいますが、成城石井では、それを全部やれます。

だから、すごく忙しかったり、すごくたくさんの情報を収集しないといけなかったりしますが、反面すごくやりがいがあります。自分たちで作り上げた物を売っているので、店頭に並べている商品は、本当に自分の子どものように感じます。

「成城石井自家製 チョコと胡桃のスコーン」に入っているチョコチップも濱田さんのオリジナルレシピだそうだ。どんなこだわりがあるのかを聞いたら、カカオ豆の産地の話になり……スコーンのチョコチップの話をするのにカカオ豆から語る!?と一瞬脳がフリーズした。店頭のプライスカードにある一言はすべてバイヤーが書いている。あれはバイヤーからのラブレターなんだそうだ。
高橋 ホイコ ライター

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たかはし ほいこ / Hoiko Takahashi

1976年生まれ。国民生活センター勤務を経てフリーライターに転身。ウェブメディアを中心に執筆中。企業の一風変わった取り組みへの取材を得意とする。趣味はホルン演奏、ピンクのガジェット収集、交通インフラの豆知識集めなど。トマトマンの斜め上行く生活術管理人。

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