ラグビー日本が「最強アイルランド」と戦う意味 4年前の南アフリカ戦のような奇跡起こせるか

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対南ア戦では南アが確実にチャンスをものにしたのに対し、日本は何度かのトライチャンスで攻め切ることができず、自らに来ていた流れに乗ることができなかった。開幕戦ではロシアのバックス攻撃に威力がなく、攻めが単調だったことに助けられた面があるとはいえ、「ロシアの時間」を耐えたことで流れを引き寄せた感が強い。

4トライを挙げたことでボーナスポイント1を加えた勝ち点5を獲得。上々のスタートを切った。残るアイルランド、サモア、スコットランドとの予選プール3試合のうち、2勝を挙げることが決勝トーナメント進出の最低条件とみられる。

とくに北半球と南半球の強豪10カ国からなる「ティア1」に属するアイルランド、スコットランド両国と厳しい戦いを迫られるのは必至だ。

ワールドラグビーが9月22日に発表した最新の世界ランキングで、日本は9位(前回10位)になった。アイルランドが2位(同1位)、スコットランドが8位(同7位)だ。4年前の前回大会、日本代表は南アフリカ代表を倒した。その歴史的快挙を再び実現出来るのか、予選同組最強のアイルランド撃破にはロシア戦の前半途中からみせたような修正力の高さを維持できるかがカギといえるだろう。

その先にある日本代表にとっての悲願の「ベスト8」入りが達成できるか。28日のアイルランド戦に引き続き、10月5日にサモア戦、13日にはスコットランド戦が控えている。

22日、ライバル対決となるアイルランド対スコットランド戦には観客も6万3000人あまり集まった。27対3でスコットランドを撃破し、優勝候補の一角に名を連ねるアイルランドが貫録を示した。

アイルランドラグビーは強力なフォワードが威力を発揮し、密集近場の攻撃を繰り返す。バックスはキックを使ったアップアンドアンダー中心の攻撃。スタンドを緑色に染めたアイルランドファンによる同国でおなじみの「ザ・フィールズ・オブ・アセンライ(The Fields of Athenry)」の大合唱もチームを後押しした。鉄壁の防御もアイルランドの強さだ。なかでも自陣へ攻め込まれたときの戻りの速さが目を引いた。

アイルランドに長年留学し、同国のラグビー事情に詳しい成城大学の海老島均教授は「スコットランド戦でケガをしたプレーヤーの回復の具合が心配だが、ベストメンバーがそろえば優勝の可能性は十分にある」と話す。

予選で南アフリカを撃破したオールブラックスことニュージーランドの大会3連覇へ視界も今のところ良好。今年の「シックス・ネーションズ」でグランドスラム(全勝優勝)を成し遂げたウェールズもジョージアに順当勝ちした。「これほど優勝チームの予想が難しいW杯はない」と多くの関係者が口にする今大会。優勝杯である「ウェブ・エリス・カップ」をどこの国の代表が手にするのか。その行方は混沌としている。

観戦客の訪日需要も多く見込まれる

アジア初の開催となった今回のラグビーワールドカップ、注目が集まるのは試合だけではない。

大会では期間中に40万人超の海外からの観戦客来訪が見込まれている。試合会場は国際色豊かだ。

アイルランドのファンの男性(53歳)は2週間滞在し、7試合を観戦の予定。「厳しい試合になるが、後半20分で勝負を決めるだろう」。日本人の対応については「ファンスティック」と話す。

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