アンダーアーマー、急成長を支える"情熱" 新興ブランドが巨人を口説き落とせた理由
2015年3月、開幕を迎えたプロ野球。読売ジャイアンツのユニホームは、昨年までとは大きく異なっていた。右胸に、UとAを組み合わせた黒字のロゴが踊っていたのだ。それまで、2006年からユニホームを提供していたアディダスにとって代わったのは、米国のアンダーアーマーだ。
同社は1996年に米国で創業した、新興のアパレルメーカー。社名は「アスリートがユニホームの下に着て、戦うための鎧」に由来する。身体に密着して、運動選手の激しい動きをサポートしながらも、吸汗・速乾性に優れる機能性の高いスポーツウエアを武器に急成長している。
創業からわずか20年弱にもかかわらず、契約している選手にはNBA(米プロバスケットボール)のMVPを受賞したステファン・カリー、史上2番目の若さでゴルフの世界ランキング首位を獲得したジョーダン・スピースといった、スタープレイヤーがいる。
日本でも、2015年のシーズンでトリプルスリー(打率3割以上・本塁打30本以上・盗塁30個以上)を達成した福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐、読売ジャイアンツの阿部慎之助など、トップアスリートが好んで着用している。
急成長中の米アンダーアーマー、時価総額は約2.5兆円
米アンダーアーマーの2014年12月期の売上高は約3700億円。最大手の米ナイキ(売上高3.8兆円)や独アディダス(同約2兆円)に比べると、規模はまだ小さい。それでも、2014年の米国市場では、売上高でアディダスを抜いて2位に躍り出た。5年以上にわたって売上高成長率が年20%を超えていることが評価されており時価総額は約2.5兆円にものぼる。
日本での販売は、総代理店であるドーム社が請け負っている。2014年12月期の売上高は300億円に達しており、米アンダーアーマーをやや上回る勢いで、売上高を伸ばしている。そのドーム社を率いるのが社長の、安田秀一だ。
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