東洋経済オンラインとは
ビジネス

アンダーアーマー、急成長を支える"情熱" 新興ブランドが巨人を口説き落とせた理由

7分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES

安田は、読売ジャイアンツの社長である久保博(当時は読売新聞東京本社の常務取締役)と会食した折に、「日本のジャイアンツは、米国のヤンキースに並ぶ世界一の球団になるべきだ」と説得にかかった。

ユニホームのデザイン改革、自社スタジアムに移転して、収益を伸ばす構想など、ジャイアンツが持っている、スポーツビジネスの潜在力を懇々と説いた。当時のことを、安田は「単に、ユニホームをサプライヤーとしてお願いする立場だったら、ジャイアンツ相手に偉そうなことは絶対言わなかった」と振り返る。

ジャイアンツのユニホーム契約、値段は5年で50億円!

有明の新本社にアスリート向けのジムやカフェを備える(撮影:田所千代美)

安田が目指すのは、ジャイアンツとアンダーアーマーのブランドを最大化すること。真剣に訴える姿に理解を示した久保は先頭に立って契約をまとめあげた。2014年8月に結んだのは、ユニホーム提供だけでなく、マーケティング提案も含めたパートナー契約だ。その金額は5年間で総額50億円にのぼる。

それまでユニホームを提供していたアディダスの数倍ともいわれる金額だが、安田は「僕らとジャイアンツが世界トップレベルで戦うという理念を共有して、一生懸命やるための軍資金だから」と、意に介さない。

契約初年度にあたる2015年に取り組んだのが、ライセンスビジネスの拡大だ。東京ドームのグッズ販売店では、ユニホームのレプリカに加えて、「GIANTS」や「TOKYO」といったロゴの入った、アンダーアーマー製のカジュアル衣料の販売を開始している。

ラグビー日本代表の山田章仁も、ジムで汗を流す(撮影:田所千代美)

これは米ヤンキースが「NY」と書かれたカジュアル衣料を販売することにヒントを得たもの。球場だけでなく、街でも着られる衣料品であれば、より裾野の大きなマーケットを狙うことができる。

ドーム社は今年9月末、有明(東京都江東区)に新本社を竣工した。年率25%で伸びる売上高、それに伴って増加する従業員数に、スペースが不足したからだ。新本社は元々、倉庫だったものを改築してオフィスとしたもので、ほかにもトレーニング施設や専用ラウンジ、バスルーム、カフェなどアスリート専用のさまざまな設備を備えている。

次ページが続きます:
【急成長の先に描くもの】

4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象