持ち家率の上昇に伴って、住宅ローンを抱える世帯が増えている。総務省「家計調査」によると、世帯人員2人以上の勤労者世帯の持ち家率は2008年現在、73.8%。住宅ローンを返済している世帯の割合は35.8%と、調査を開始した1979年以来の最高を記録した。
うち、ローンを抱えている世帯の平均返済額は年間125.4万円。世帯主が30歳代で119.4万円、40歳代では135.1万円(いずれも名目)に上るが、返済額そのものが急増傾向にあるわけではなく、金額は01、02年の水準を下回っている。問題は、収入が増えないのに税金や社会保険料といった非消費支出が膨らみ、可処分所得が抑えられている点。家計が厳しくなる中で、ローン返済の負担は重くのしかかる。
住宅ローン返済額が可処分所得に占める割合を見ると、08年は20.5%と過去最高。世帯主が30代前半では23.4%、また年間収入第1五分位(低いほうの2割)の世帯では27.9%に達している。一般に住宅ローンの無理ない返済額の目安とされる「年収の25%」という水準に照らしても、余裕のない世帯が少なくないことがうかがえる。
特にこの10年間に持ち家を建てた世帯では、負債現在高が貯蓄現在高を上回る「負債超過」状態になっている。先行きの雇用・所得をめぐる不安が高まる中、消費マインドは一段と慎重さを増すことになる。
(東洋経済統計月報編集部)
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