人口減少を抑え、社会の年齢構成の変化を緩やかにするには、夫婦が安心して2人以上の子どもを育てられることが重要なポイントとなる。
厚生労働省が2002年時点で20~34歳(調査時点の07年には25~39歳)だった全国の男女とその配偶者を対象として毎年継続的に実施している「21世紀成年者縦断調査」によると、子どもが1人いる夫婦のうちこの5年間に第2子が生まれた割合は、妻が「仕事あり」の場合に51.7%で、「仕事なし」の67.2%を下回る。ただし、「仕事あり」を就業形態別に見ると、「非正規」が39.0%にとどまるのに対し、「正規」は65.6%と「仕事なし」と比べて遜色がない。
妻の職場での育児休業制度の有無や、制度があっても、それを実際に利用できるかどうかで第2子の出生の状況は異なる。この4年間に第2子が生まれた夫婦の割合は、「育児休業制度なし」では28.3%にとどまるが、「制度あり」ではその2倍の57.5%、うち「利用しやすい雰囲気がある」場合には64.7%と高くなっている。
こうした傾向は子どものいない夫婦の第1子の出生に関しても指摘できるが、子育ての負担がより大きくなる第2子の場合ほどは明瞭に見られない。妻が仕事を持っている夫婦が2人目(以降)の子どもをもうけるかどうかは、子育て支援を含む就業環境に大きく左右される。
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