闇営業問題にも動揺しない若手芸人たちの実情 既存の価値観に縛られない「お笑い第7世代」

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このように、何事にも物怖じしない度胸があるというのもこの世代の特徴です。例えば、ゆりやんレトリィバァは、アメリカのオーディション番組「America's Got Talent(アメリカズ・ゴット・タレント)」に出演して話題になりました。パフォーマンス自体は不合格という結果に終わりましたが、その前後には流暢な英語で審査員と会話をして何度も笑いを取り、会場を大いに沸かせていました。アメリカ人に対しても臆せず対等にわたり合い、普段どおりにジョークを飛ばすその姿は、実に頼もしいものでした。

闇営業問題はむしろチャンスだ

お笑い第7世代の芸人は、笑いに対してピュアで真面目です。彼らが活躍することで、芸人というものについてまわるいかがわしいイメージを払拭できるかもしれません。現在、お笑い界を揺るがしている闇営業問題の根底にあるのは「芸人はみんな夜の街で怪しい人たちと日常的につるんでいるんだろう」というネガティブなイメージです。

ところが、根っから真面目な第7世代の芸人にはそういったマイナスの要素がありません。だからこそ、起用するほうとしてもフレッシュなイメージを期待して起用しやすいし、視聴者から見ても印象がいいのです。

闇営業問題は、吉本興業とお笑い界全体を震撼させる大問題に発展してしまいましたが、逆に考えると、そういったものと無縁のお笑い第7世代が躍進するこのうえないチャンスでもあります。昔ながらの芸人のような怪しさやいかがわしさを持たない若手芸人は、これからの時代に最も求められる人材なのかもしれません。ダウンタウン、ウッチャンナンチャンなどの「お笑い第3世代」が1990年代のお笑い界を席巻したように、お笑い第7世代もこれから革命を起こしていくことになるでしょう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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