闇営業問題にも動揺しない若手芸人たちの実情 既存の価値観に縛られない「お笑い第7世代」
最近、お笑いの世界では「お笑い第7世代」という言葉をよく耳にするようになりました。はっきりした定義があるわけではないのですが、だいたい平成生まれで20代前後の若手芸人がまとめてそのように呼ばれています。
3月30日放送の「ENGEIグランドスラムLIVE」(フジテレビ系)では「お笑い第7世代芸人」にスポットを当てる企画が行われ、霜降り明星をはじめ、ハナコ、ゆりやんレトリィバァ、EXIT、かが屋、宮下草薙がネタを披露しました。6月に出版された『芸人芸人芸人』(コスミック出版)というお笑いムックでも「第7世代」の特集が組まれていて、霜降り明星、ハナコ、金属バット、かが屋といった芸人が取り上げられていました。
発端となったのは「お笑い第3世代」
「お笑い第7世代」という言葉を初めて聞く人は「そもそも第1世代から第6世代を知らないんだけど……」と思われるかもしれません。実は、第1世代から第6世代までの定義もそれほどはっきりしているわけではありません。
これらの世代を指す言葉が生まれた最初のきっかけは、1980年代後半にさかのぼります。この時代には、ウッチャンナンチャンやダウンタウンが新たに世に出てきました。同世代にはとんねるず、ダチョウ倶楽部、B21スペシャルなどもいました。彼らのような若い世代の芸人を、すでに活躍している上の世代の芸人と区別するために「お笑い第3世代」という言葉が作られたのです。
具体的に言うと、ザ・ドリフターズやコント55号を「第1世代」、タモリやビートたけしや明石家さんまを「第2世代」と位置づけて、それよりも若い層のことを総称して「お笑い第3世代」と呼び始めたのです。
その後、あとに続く世代を指して「お笑い第4世代」「お笑い第5世代」などと言う人も一部にはいましたが、「お笑い第3世代」以外はそれほど一般的な表現ではありません。これらの用語はWikipediaの「お笑いブーム」という項目にまとめられていますが、逆に言うとそれ以外の明確な情報源があるわけではなく、どこかの誰かが書いたWikipediaの記述が独り歩きして広まっているというのが実情です。
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