激変する動画配信、ディズニーが示した「本気」 独自動画を次々と投入、「特別価格」で攻勢

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そこに加えられるのが、ディズニープラス独自のコンテンツだ。今回の発表では、ディズニーの実写版映画の製作会社やマーベル、ルーカスフィルム、ディズニーチャンネルの各トップが入れ替わりに登壇。予定の時間を30分近く超え、約2時間にわたって独自コンテンツを次々と披露した。

新たに発表されたのは、『スター・ウォーズ』に登場するオビ・ワン・ケノービにスポットを当てたシリーズや、人形劇『マペット』の短編集など。会場にはオビ・ワン・ケノービ役のユアン・マクレガー氏や、『アベンジャーズ』シリーズに出演するポール・ベタニー氏、エリザベス・オルセン氏ら著名人も次々と登場し、約6800人の観客を魅了した。

ネットフリックスの半額、月6.99ドルで攻勢

前のめりの姿勢は価格にも現れている。ディズニープラスはアメリカで月6.99ドル。ネットフリックスの通常プラン12.99ドルのおよそ半額の設定になる。さらにグループで展開するスポーツチャネル「ESPN+」と動画配信「Hulu」のセットで月12.99ドル(アメリカのみ)。完全にネットフリックスを意識した価格設定といっていいだろう。

月6.99ドルは「かなり魅力的な価格だ」と語るディズニーで動画配信を統括するケビン・メイヤー氏(記者撮影)

ディズニープラスは、4Kなど高画質に対応。好きなキャラクターの設定や視聴内容などによってリコメンドも受けられる。それで通常料金月6.99ドルは「かなり魅力的な価格」(メイヤー氏)だ。

さらに今回のイベントでは、来場したファン向けに特別価格も設定。3年契約で140.97ドルと、実質月3.9ドルで提供する。特別なファン向けということもあり、もう一歩踏み込んだかたちだ。

11月12日にサービスを開始するのは、アメリカ、カナダとオランダ。その後はグローバル展開を視野に入れる。メイヤー氏は「ディズニーのコンテンツはグローバルに通用する質の高さがある」と自信を示す。国際事業の強化のために、ネットフリックスから人材を招き入れたことも明らかにした。

ただ、他地域での開始時期について、メイヤー氏は「できるだけ早く展開を始めたい」と述べるにとどめた。日本では今年3月にNTTドコモと組んで動画配信サービス「ディズニーデラックス」を月額700円(税別)でスタートさせている。棲み分けの問題もあり、ディズニープラスが日本で見られるようになるのは、まだ少し先になりそうだ。

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