「収入が自分の半分の男」と結婚した女性の顛末

家計は折半だが、食事を作るのは妻の仕事

「親や育った環境の呪縛って、一生つきまとうものなのでしょうか?」

静枝は、私に聞いてきた。

確かに親の教育や育った環境は、人格形成に大きな影響を及ぼすだろう。

例えば、面談にやってきて、「結婚は、大卒限定で」と、やたらと学歴にこだわる女性がいる。こうした女性は、親が飛び抜けて高学歴だったり、親が教育熱心でその女性を幼い頃から有名私立に通わせていたりする。また、それとは逆に、母親が大学卒で父親が高卒や中卒だった場合も、母が娘の夫になる人に、立派な学歴を求める傾向にある。

また男性の場合は、父親が成功者だったりすると、「僕は僕、父は父ですよ」と言いつつも、どこかでコンプレックスを抱えている。こういう男性は結婚が決まるや、結婚式の招待客の人数や住む場所などを、女性よりも両親が言うことに従う傾向にある。そうすることで女性との関係がギクシャクしてしまったり、婚約の段階で破談になってしまったりすることも多い。

だからといって、うんと仲のいい家族に育ったら、幸せな結婚ができるかというと、そう言い切れるものでもない。

先日、婚活相談に来た女性がこんなことを言っていた。

「ウチの父は、家族にお金の心配をさせたことがない人でした。家族で食事に行くと、『好きなものを食べなさい』と言って、そのお会計を父の財布から出す人でした。1年婚活をしていますが、最初のお見合い代は払ってくれるものの、その後のデートは6:4とかの女子割、中にはきれいに割り勘にする人もいて、何か男らしさを感じないんです」

男女のお付き合いの中で、割り勘が当たり前になりつつある今の時代に、“すべての支払いは男がするもの”という価値観で婚活をすると、相手を選ぶのが難しくなってくる。

また、両親が離婚し、以後10年来、母娘で暮らしてきたある女性がいたのだが、婚活においてどうしても譲れないポイントは、「母親の近くに住むこと」だと言っていた。

相手もまだ決まらないうちから住む場所を限定してしまうと、お相手選びが難しくなるののは、当たり前のことだ。

結婚とは、個人として心身ともに自立すること

幼い頃、親は子どもにとって絶対的な存在だ。食べ物や住む場所やお金を与えてくれる親がいなければ、生きてはいけない。親から言われることが納得できなくても、どんなに自分に不利益でも、たとえ虐待されていたとしても、自力で親の元を離れることはできないし、結果それを受け入れることになる。

それが、年数を重ねていくうちに心理的に刷り込まれ、親から離れられない呪縛へとつながっていくのではないだろうか。

しかし、社会に出て自活できるようになってからは、もう1人で生きていくことができるのだ。親を反面教師にしたり、理想型にしたりして、そこに自分の結婚観に当てはめていくと、よくも悪くもそこにはひずみが出てくる。

静枝の出した結論は、こうだった。

「離婚を経験してみて、お金に対する価値観ってすごく大事なのだと学びました。両親の結婚を反面教師にして、“キレない人”“優しい人”にこだわってきましたが、お金がないと、しなくていいけんかもする。あとは、お金に対する考え方や使い方には、人間性が透けて見える。離婚を学びに変えようと思っています。

婚活は、人柄とお金に対する価値観を見ながら、進めていきたいです。そうなると、見た目って本当にどうでもよかったと思うんですよ」

静枝のように、親の呪縛から解き放たれ、理想の結婚像を自分で見つけ、それを模索しなら婚活していくことが、大事なのではなのではないだろうか。

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