なぜ、娘は母の呪縛から逃れられないのか 結婚が決まると見えてくる「親」という毒
私はプリマリタル(結婚前)・カウンセラーとして、多くのカップルの恋愛や結婚についての悩みや相談に答え、対話をしてきました。その経験から、断言できることがあります。
それは、うまくいかないカップルには「共通の問題」があるということです。そのひとつが、親からまかれた「毒」による悪影響という問題です。
世間では「毒親(どくおや)」という言葉をよく耳にするようになりました。
「毒親」などと言われると、善良で子どもを愛している母親たちにとっては違和感があるでしょう。明らかに存在そのものが「悪」であるという性根が曲がった人間でないかぎり、毒などと言われることには抵抗があって当然です。
ところが、どんなに良い人でも、温厚で優しく、愛にあふれた人であっても、母としてわが子に与える影響が必ずしもよいことだけであるとは限りませんよね。よかれと思ってやったことが、子どもには正しく伝わらなかったということはよくあるでしょう。
親が毒でなくても、結果的に子どもに与えた影響が、その子にとってはマイナスのものとなってしまうという不幸は、実のところどんな親子の関係でも起こりえることです。
親から受け継がれたマイナスの影響……私はこれを、「毒親(どくおや)」ならぬ「親毒(おやどく)」と呼んでいます。
下着の色までチェックした母
あるとき、百合香さん(仮名)という女性が相談に来ました。
理想的だと思える男性と交際していて、ついにプロポーズされたのです。夢にまで見た結婚でしたが、彼女の心はその瞬間から曇り出していました。うれしいのに喜べない状態に陥ってしまったのです。
「彼じゃ、お母さんが認めてくれない……どうしよう……」
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