なぜ、娘は母の呪縛から逃れられないのか 結婚が決まると見えてくる「親」という毒

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その人生を満開に咲かせることこそが、本当の親孝行なのです。

一般的にカップルが別れてしまういちばんの理由は「性格の不一致」だと言われています。1分に1組が結婚し、約2分10秒台に1組が離婚しています。そして、そのほとんどの人たちが「問題は性格の不一致」だと言うのです。

ここにこそ、親毒の大きな影響が見て取れます。

前述したとおり、人の性格は育った環境によって大きく影響を受けます。ですから、性格の不一致だと当事者が感じるようなタイプの問題は、元をたどれば、その性格ができあがるに至った根源的な理由のひとつ、つまり、親にまで行き着くことが多いのです。

これは、ちょっと見方を変えれば、約2分に1組のカップルが親から与えられた「毒」によって離婚していると言うこともできるのです。

しかし、私たちは、どこまでが親の影響で、どこまでがそうでないのかを客観的に切り分けて考えることができません。

親の影響は、私たちの人格の一部として存在しているからです。

マザコンも親毒の症状

カップルのカウンセリングをしていると、基本的にほとんどの女性たちは、自分の彼が「マザコン」ではないかと不安を感じていることがわかります。

「彼ったら、週に1度は必ず実家に行ってお母さんと過ごすんです。これって変じゃありませんか?」とか、「義母は、暇さえあれば電話をしてきて『ちゃんとごはん食べてるの?』なんてチェックするんですよ」などなど、多くの女性たちが彼ママの存在に違和感と脅威を感じています。

本人にしてみると、これらはみな当たり前にしていることで、何の問題もないと感じることです。ですから、それを指摘されること自体が不愉快だし、むしろそのことに違和感を覚えます。

マザコンに対する違和感は「自分よりも母親のほうが近い存在なの?」という不安です。

自分よりも彼ママのほうが、彼に近いと感じるなんて、彼女にとっては致命的です。誰よりも「私がいちばん大切」な存在なのだと信じられなければ、夫婦関係を築いていくことはできません。

これは彼にとっての「親という存在の質」に対する違和感であり不安です。彼にとっては自然なことでも、パートナーから見ると「違和感」があり「異常」と思えるのです。でも本人がそれを自覚していないわけです。

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