神保町「大行列喫茶店」に学ぶ3つの差別化戦略 ホットケーキを「待ってでも食べたい」理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最後の「真の差別化を実現する」ポイントは「継続的な創意工夫」をすることです。

【ポイント③】「継続的な創意工夫」を怠らない

「TAM TAM」のホットケーキは、「石窯」で焼いた、その「見た目のインパクト」だけでなく、「味」も特別なものです。

ほのかな甘みの中に、塩気も感じます。添えてあるバターや生クリームやメープルシロップとのバランスも絶妙なものです。

この味覚も、一朝一夕に生まれたものではありません。ホットケーキの生地には、バニラアイスとリコッタチーズが入っていますが、このレシピも試行錯誤の果てに生まれたオリジナルなものです。

家では食べることができない特別なホットケーキを目指して「継続的な創意工夫」を行っています。この努力がなければ、差別化された価値が生まれることはありません

ビジネスの本質は、差別化の「実現」である

「チャレンジする勇気→遊び心→継続的な創意工夫」

どれも言い尽くされたものばかりですが、「真の差別化」を生み出す方法論そのものにマジックなどありません。すべては差別化を「絶対に実現するのだ」という「強い思い」と「粘り強いアクション」あるのみなのです。

差別化のお手本は、私たちの身の回りにいくらでもあります。そして、つねに行列ができている繁盛店には、ビジネスで成功するヒントが詰まっているのです。

みなさんも、一度「TAM TAM」の石窯焼きホットケーキで「ここにしかない味」を体験しつつ、「ビジネスのヒント」「差別化戦略の本質」を体感してみてください。

遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事