神保町「大行列喫茶店」に学ぶ3つの差別化戦略

ホットケーキを「待ってでも食べたい」理由

「TAM TAM」のホットケーキには「代替性」がありません。ここでしか食べることができないから、並んででも食べたいと多くの人の支持を得ています。「絶えない行列」は、ほかのお店と「真に差別化されている」ことの証しなのです。

差別化のお手本は、私たちの身の回りにいくらでもあります。ここでは「TAM TAM」事例を基に3つのポイントを紹介します。

「真の差別化を実現する」1つ目のポイントは、そもそも「チャレンジする勇気」を持つことです。

「石窯の導入」が差別化の出発点

【ポイント①】まずは、新しいことへ「チャレンジする勇気」を持つ

「TAM TAM」の前身は、珈琲館のチェーン店でした。店主の田村信之さんは、建て替えを機にまったく違うお店にしたいと考え、チェーン店ではなく個性的なお店にしようと決断しました。

その後押しをしたのが、近所にある全国的に有名な喫茶店「さぼうる」のオーナーです。「これからは新しいものを出していかないとダメだよ」と助言されたのです。

「普通の喫茶店にはしない」と決めた田村さんは、いろいろな人に相談し、「石釜を導入しよう」と決めました。この決断こそが、「TAM TAM」の差別化の出発点でした。

人とは違う何かに挑戦しなければ、差別化など実現できるはずがありません。しかし、人はとかく無難で安全な道を歩みたがります。挑戦するには、勇気が不可欠です。

「さぼうる」のオーナーの助言を素直に聞き入れ、成功するかどうかもわからない石釜の導入を決めた田村さんの「素直さ」と「チャレンジする勇気」がなかったら、行列のできるお店は生まれていなかったでしょう。

【ポイント②】「遊び心」を具現化する行動力

2つ目は、「遊び心」です。

お店を改装する当初、田村さんはトーストを焼くつもりで石釜の導入を決めました。そのころは、ホットケーキを石釜で焼くというアイデアにはたどり着いていませんでした。

開店まで試行錯誤しながら石釜と格闘しているうちに、「石釜でホットケーキを焼いたらどうなるんだろう?」と思いつきました。

そして、実際にやってみたところ、これまでにはない「見た目」と「焼き上がり」のホットケーキが出来上がったのです。

表面はこんがり焼け、まるで焼きたてのパンのようです。その表面にカリッとナイフを入れると、蒸気がふわりと上がり、黄金色をしたスポンジが現れます。

石釜の導入までは思いつく人もいると思います。しかし、その石釜を使ってホットケーキを焼いてみようという田村さんの「遊び心」と実際にやってみる行動力がなければ、「奇跡のホットケーキ」は生まれていないのです。

次ページそして、「最後のポイント」は?
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