「東京五輪」の新競技施設と浮かびあがる課題 都心で本格的なラフティング体験もしてみた
東京都が2020年東京オリンピック(以下=五輪)・パラリンピックに向け、新設する6つの競技会場のうち、3つが年間収支赤字の試算になっていることは前回の記事で書いた。
それらの会場は開幕1年前の現時点でどうなっているのか。指定管理者はどのように集客を増やし、稼働率の高い施設にして、収支改善を図ろうとしているのか。
後編の本稿では、7月6日に完成披露式典が行われたばかりのカヌー・スラロームセンターに実際に足を運び、レポートする。
都心で本格的なラフティング体験ができる
夏とは思えないヒンヤリとした雨が続いていた7月23日の朝9時半。1カ月限定のトライアルで実施されていたラフティング体験に参加する12人が東京都江戸川区のJR葛西臨海公園駅に集合した。ここから歩くこと15分程度。いくつかのプレハブが立ち並ぶ真新しい施設が目に飛び込んでくる。
管理棟など付帯設備はまだ建設中だが、国際オリンピック委員会(IOC)の基準をクリアした人工コースはすでに完成している。五輪本番のカヌースラローム競技は2020年7月26日から31日までの6日間、開催される予定だ。
ウエットスーツに着替えた筆者は早速、ここに赴き、エキスパートのインストラクターの指導を仰ぎながらカヌーに乗り、漕ぎ方から練習を始めた。水温25~26度と適温で、水に落ちても冷たく感じることはない。
徐々に慣れてきたところで五輪本番に使われるコースに出た。渓流を模した全長200m、高低差4.5mの水路に、毎秒12トンの水流が生み出される人工コースは凄まじい迫力。カヌーから落ちる参加者も続出したほどだ。スリルと興奮の連続で、こういう感覚はなかなか味わえないものだった。
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