「東京五輪」の新競技施設と浮かびあがる課題 都心で本格的なラフティング体験もしてみた
「実は2度目の参加なんですけど、前回ハマってしまってまた申し込んだんです。本当に楽しい」と4人で参加した都内在住の30代のグループも目を輝かせていた。
同じく都内在住の40代の夫婦も「ぜひまたやってみたいです。駅から近いし、飲食店なども入ってウォーターパークのようなものになれば、かなり利用者も増えると思います」と期待を口にした。
約90分のトライアルで料金が1人3500円という破格の安さだったこともあるが、7月の1カ月間のラフティング体験は連日予約が満杯で、大盛況だったという(現在は終了、再開は五輪後の2021年を予定)。
「五輪後は都民による施設の積極活用を促したい」と東京都オリンピック・パラリンピック準備局の鈴木研二開設準備担当部長が話すように、同施設は新たなレジャー施設として認知される可能性が少なからずありそうだ。
指定管理者である協栄の武藤亮・営業本部PPP事業部課長も「カヌーは国内競技者が少ないので多目的に使えるようにしたい」と意欲を示す。
「ラフティングやカヌー体験はもちろんのこと、水難救助訓練の研修、小中学生の水辺の安全教育などにも使っていただくことができる。葛西臨海公園駅から徒歩で15分、都心からも近いというメリットもあるので、利用価値は高いと思います。葛西臨海公園に来たお客さんをいかにして取り込むかも重要なテーマだと考えています。
夏場であれば、会社帰りのバーベキューとラフティングをセットで売り出したり、キッチンカーを設置して飲食ができるようにしながらラフティングと公園散策と楽しんでいただくといったアイデアもあります。
冬季はラフティングやカヌーのニーズは低下するかもしれませんが、救難訓練や学校行事はシーズン関係なく行われます。そういったさまざまな可能性を考えながら、稼働率を向上させていくつもりです」
アスリートからは喜びの声が上がっている
一方の「アスリートファースト」という意味でも、同施設の存在価値は大きい。協栄勤務でカヌー・フリースタイルカヤックの現役選手でもある佐藤未来さんも「つねに安定した環境で競技ができる人工コースが日本で初めてできたことをみんなが喜んでいます」と笑顔を見せる。
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