全力1分の自転車こぎの運動効果が抜群なワケ 45分間軽い運動をするのに匹敵する!

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いまやHIITは、病気を患った人のリハビリにも使われています。2018年に行われた調査では、心筋梗塞後のリハビリでHIITと中等度の運動(ジョギングなど)の効果を比較した結果、HIITは心機能の改善だけではなく、メンタルや活動性の回復にも、より効果的であることがわかっています。

ただ、HIITの効果はわかっても、気になるのはリスクです。当然ながら「安全性はどうなのか?」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいうと、近年のHIITの安全性に関する多くの研究結果を踏まえ、心臓病や代謝系の病気のリスクのある人にとっても、運動のなかでHIITがとくに危険ということはないと考えられます。

もちろん、何かしらの持病を抱えていらっしゃる方は医師の指導のもとで運動を行う必要があることはいうまでもないでしょう。前述のリハビリでのHIITも、専用施設において徹底した監視と指導のもと行われたものです。

週2回からでも十分な効果あり

また、健康な方であったとしても高強度の運動を長時間続けることは危険が伴います。体を負傷したり、必要以上に心臓に負荷をかけてしまうリスクがあります。

HIITトレーニングを行う頻度については、運動習慣のない方はあまり無理をせず、最初のうちは週2回で十分です。すると徐々に慣れてきますので、週3~4回に増やしていってみましょう。

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なかには週末しか時間が取れないという方もいらっしゃるでしょうが、筋肉の回復や疲労からの回復を考えると、土日で連続して行うのはお勧めしません。

HIITが重視するのは短時間における運動強度で、「運動の量」ではなく「運動の密度」です。「トータルの運動量」は重要ではなく、むしろトータルの運動量を抑えつつ、高い効果を得ることがHIITの目的ですから、無理なく効率的に実践されてください。

多くの人が、この効率的な運動によって健康で長生きできること、それが私の望みです。みなさんも、ぜひ効率的なこのトレーニングを生活に取り入れてみてください。

川田 浩志 東海大学医学部内科教授(血液内科学)、医学博士

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かわだ ひろし / Hiroshi Kawada

日本抗加齢医学会認定専門医、日本内科学会認定専門医・指導医、日本血液学会認定専門医・指導医、アメリカ内科学会・アメリカ血液学会インターナショナルメンバー。

東海大学大学院修了後、アメリカ・サウスカロライナ医科大学ポストドクトラルフェローを経て、2015年より現職。2016年より医学部教育計画部長、2017年より副医学部長を兼任。

スポーツの普及に力を注ぐ東海大学の教員として、運動を取り入れた健康医学の普及に努めている。そんななか、近年、爆発的に科学的なエビデンスの増えている運動方法「HIIT」に着目。短時間で健康効果の高い「HIIT」を推奨する、日本では数少ない医師である。

専門分野について、講演依頼やTV・ラジオ・雑誌の取材も多い。
著書に、『世界一効率がいい 最高の運動』 (かんき出版)など。
 

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