(株)マッキャンエリクソン、「Real Fathers リアルファーザーズ」編集部
●「小学生お父さん」は家族との関わりの分岐点
一口に「父親」といっても、年代や子どもの年齢によって置かれている環境は大きく異なる。マッキャンエリクソンが発行した父親研究冊子「リアルファザーズ」では、「父親」を自身の年齢と子どもの年齢に応じて、「子育てお父さん」、「小学生お父さん」、「中高生お父さん」の3つに分類している。人口動態の面から見ると、「小学生お父さん」がボリュームとして最も大きく、家計や居住形態、世帯所有製品等の側面から見ても、「小学生お父さん」は、子どもの意思の芽生えとともに、家族も成長し、家庭内の交流を活発化させる"家族の維持・発展期"と言うことが出来る。「小学生お父さん」は家族との関わりが最も期待され、同時に悩みも抱えている層であり、彼らをどう捉えるかが「父親」をターゲットとする際の重要なカギとなりそうだ。
そんな「小学生お父さん」の特徴が4つ挙げられている。
●「小学生お父さん」の4つの特徴
(1)圧倒的に少ない父子の時間。
母親が子どもと会話する時間は、平日で平均65分、休日78分であるのに対し、父親は平日35分、休日67分と、とりわけ平日の会話時間が極端に少ないことが分かる。また、子どもとのコミュニケーションに関して、十分に取れていると考える父親は母親の半数程度にとどまっており、父親自身も会話不足を自覚している。
(2)"Dot Fathers" ときどきお父さん。
小学生の子どもを持つ父親といえば、仕事の面ではまさに働き盛りで、仕事に集中せざるを得ない年代でもある。父親の一日を覗いてみると、子どもと接するのは平日では朝夕の食事の時間に限られており、会話の中身もその日の出来事や直近の予定の確認といった程度にとどまっている。それぞれの時間が点在(ドット化)する中で、なんとか父親時間を押し込み、子どもと束の間の夢を共有しているようだ。
(3)フラット化する消費。
一昔前は、父親が少ない小遣いで節約を強いられ、一方妻は優雅にショッピングやランチを楽しむという光景が目にされたが、今では財布を握る母親も、自分のために多額の支出をしているわけでもなく、家族間の消費は極めて平等化している。生活は簡素にする一方で、子どもの塾や習い事に関する支出は大きく、教育偏重となっている。
(4)自分の城をしっかり確保。
父親の部屋の有無を尋ねたところ、約4割が保有、子ども部屋に匹敵している。父親の部屋を覗いてみると、オーディオやDVDなどのAV機器、ダーツなどの遊具、本やCD・DVDのコレクションなど、自分色に染め、趣味的にアレンジされた空間が造られている。自分の場所の居心地をよくするための出費は惜しまないようだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら