日産、販売現場から上がる悲鳴 ゴーン体制初の営業赤字

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実際、昨年国内で売れた新車(軽自動車除く)トップ10の中で日産はセレナ(6位)とティーダ(9位)の2車種のみ。10位内シェアは15%と、トヨタ60%、ホンダ19%の後麈を拝している。ホンダの新型インサイト、トヨタの新型プリウスが発売される今年は、優勝劣敗が鮮明化するおそれもある。

「9日の会見には失望した。『日産はこうする』という大方針がなかったからだ。社員の士気を上げたくても、話のしようがない」(同)。

ゴーンは遠くなりにけり

皮肉なことに、こうした販売最前線の悲鳴はゴーン社長に届きにくくなった。新たに発表された新役員体制の内容は、ほとんどすべての業務を志賀俊之COOに統括させるものだ。

しかし、この9年間、日産はゴーンであり、ゴーンが日産だった。張本人が先頭に立ってこそ、危機を乗り越える団結力も生まれようというもの。病気で退任した前任者のあとを受けて社長との兼任を決め社内を強力に引き締めている鈴木修・スズキ会長や、1月の就任会見で「現場にいちばん近い社長でありたい」と明言した豊田章男・トヨタ次期社長らとはあまりに対照的だ。

メーカーが魅力的な自動車を作り、ディーラーが自信を持って売る。両者のコミュニケーション不足は商売の根幹さえ揺るがしかねない。「日産は日本というホームをもっと大事にすべき。日本で売れない車が世界で売れるわけがない」(前出のディーラー幹部)。推進力を欠いたまま、日産は未曾有の経済危機の嵐の中を進もうとしている。

(撮影:尾形文繁)

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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