ジャニー喜多川さんに学ぶトップの重大な資質

ビジネスパーソンとして超一流の存在だった

まず注目したいのは、「ジャニーズ事務所への応募は1年中受け付けられている」ことと「300人超のジャニーズJr.を抱えながらレッスン代は無料である」こと。芸能事務所の多くが「この子に賭けてみよう」というギャンブル要素のあるピンポイントのスカウトをする中、ジャニーズは間口を広めて多くの人材を受け入れ、CDデビューまで5~10年もの歳月をかけて育てているのです。

さらにジャニーズJr.たちは、先輩のバックダンサーを務めることでアイドルとしてのスキルを磨きながら、数多くの現場を経験。例えば、光GENJIのバックダンサーをSMAPが務め、SMAPのバックダンサーをV6が務め、V6のバックダンサーを嵐が務めるなど、その育成システムは脈々と受け継がれてきました。また、これを世間の人々やテレビマンに見せることで、ジャニーズJr.たちは少しずつ顔を覚えてもらい、近未来のチャンスにつなげてきたのです。

ジャニーズは究極のファミリー企業

これをビジネスシーンに置き換えると、若手社員は先輩社員について仕事し、それを会社として脈々と続けていくことで、スキルが上がるだけでなく、お客さんと取引先に顔を覚えてもらえるなど、いいことずくめ。OJTはどの会社も当然のようにやっていることではありますが、ジャニーズ事務所の徹底ぶりと比べて、形式的なものにとどまっているところはないでしょうか。

「幼児から高齢者まですべての年代が知っている」というジャニーズタレントの圧倒的な知名度の高さは、そんな育成システムを続けてきた成果にほかなりません。現在こそAKB48グループや坂道グループを筆頭にグループアイドルが長期にわたって活躍していますが、ジャニーさんはソロ全盛で「歌って踊る」という概念すらなかった時代から、一貫してグループアイドルを手がけてきました。「先駆けゆえに結果が得られない時期もありながら、方針は曲げなかった」という信念の強さも、ビジネスパーソンとしては学ぶべきところではないでしょうか。

ジャニーズ事務所は、ジャニー喜多川社長をはじめ、姉のメリー喜多川副社長、その娘の藤島ジュリー景子副社長を中心にしたいわゆるファミリー企業ですが、一般的なファミリー企業とは様相が異なります。

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