小泉進次郎という政治家を徹底分析してみる

この10年の活動や成果を総括して見えた課題

政治家・小泉進次郎が、与党・民主党を批判するという構図で幕を開けたことには、重要な意味があります。彼はセーフティーネット強化(=「公助」)や新しい公共・社会的包摂(=「共助」)を強調する民主党への対抗から、「自助」を優先すべきことを強調しました。

まずは自らが自らを助けるという「自助」が基本の国づくりをして、それでもダメだったら、民間と一緒になって「共助」というものを築いて、それでもまだ足りないところを「公助」で国がしっかり面倒を見るというものです(小泉進次郎、田崎史郎「小泉進次郎 初ロングインタビュー『自民党はまだ野党のままでいい』」『文藝春秋』2010年12月号)。

2010年2月27日に群馬県安中市で行った演説では、次のように述べています。

「民主党の国づくり。『皆さん、何をしてほしいですか? あれもやりますよ。これもやりますよ。何をしてほしいか言ってください。お金はあとから見つけます』――こういう政治。
じゃあ、自民党はどういう国づくりをしたいのか。あれもやりたい。これもやりたい。でもそれをやるためには、皆さんの努力が必要なんです」
(松井和志「小泉進次郎、かく語りき――『マニフェストこそ事業仕分けせよ』」『新潮45』2010年5月号)

さらに彼は「ほどほどの努力ではほどほどの幸せもつかめない」と言います。もはや日本は、多少の努力では、発展できない。「一生懸命頑張って、何とか成長できる」状態になっている。とにかく死に物狂いでがむしゃらに頑張らなければならない。そう主張します(前掲『文藝春秋』2010年12月号)。

彼の矛先は、同世代に向けられます。最近の若者は草食系と言われ、内向き志向だとされます。自動車もとくに欲しくない。海外でバリバリ働きたいわけでもない。国内でそこそこの仕事をして、安定した生活を楽しみたい。そう望んでいる若者が多いとされますが、小泉さんは、そんなことでは幸せなどつかめないと力説します。

もっと頑張らなければならない。命がけで仕事などに取り組まなければならない。

ここに現れる基本姿勢に、体育会系の部活経験やアメリカへの単身留学体験が反映されていると言えるでしょう。自らの努力と成功体験への自負心が、民主党批判と相まって、「自助」を強調する政治ビジョンにつながっている。これが、彼のベーシックな特徴です。

原発へのあいまいな態度、父は「郵政」息子は「農協」

2009年10月、小泉さんは人気と演説力を買われ、自民党遊説局長代理に就任します。そして、2010年7月の参議院選挙で党の勝利に貢献すると、同年9月に遊説局長に昇格しました。

さらに2011年10月には、若手の登竜門である党青年局長に抜擢され、局内に「チーム・イレブン」を立ち上げました。彼は足しげく被災地に通い、復興支援に力を入れます。

自民党が政権に復帰し、安倍内閣がスタートすると、2013年9月に青年局長を退任し、内閣府大臣政務官(経済再生、経済財政、環太平洋経済連携協定〈TPP〉等担当)兼復興大臣政務官に就任。自民党の震災復興に対する姿勢をアピールする役割を担いました。

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