小泉進次郎という政治家を徹底分析してみる この10年の活動や成果を総括して見えた課題
横須賀育ち、体育会系の気質
将来の首相候補と言われる小泉進次郎さん。父は言わずと知れた小泉純一郎元首相です。
自民党の若手でありながら、時に安倍政権に対して大胆な批判的見解を述べ、地方遊説では圧倒的な人気を集めています。一方、これほど注目されるホープでありながら、どのような考え方の政治家なのかは、国民にあまりよく知られていません。
各地での演説でもキャッチーなワンフレーズばかりが取り上げられるため、いかなるビジョンを持った人物なのか、判然としないのではないでしょうか。
それもそのはず。小泉さんは、自らの考えをまとめた書籍を1冊も出版していません。
ノンフィクションライターが彼の言葉を集めたものや、自民党の福田達夫代議士との対談(田崎史郎『小泉進次郎と福田達夫』2017年、文春新書)は出版されていますが、自ら書いた本はありません。自分の考えをまとめた論文やレポートなども皆無に等しいため、なかなか全体像がつかみづらいという特徴があります。
小泉さんは1981年、横須賀生まれ。兄・小泉孝太郎(俳優・タレント)の3歳下の二男です。生まれて間もなく両親が離婚したため、純一郎元首相の実姉・道子さんに育てられました。小泉さんが生まれたとき、父はすでに政治家(9年目)で、横須賀を地盤としていました。小泉さんは、身近にアメリカ軍基地が存在する環境で育ち、政治家になってからもアメリカ軍へのシンパシーを語っています。
小学校入学から大学卒業まで関東学院に通い、中学・高校では野球部に所属しました。ここで彼は「徹底した上下関係」を経験します。先輩が言ったことは、間違っていても「はい」と言わなければならず、頼まれたことは断らない。このとき身に付いた行動原理が、政治家になってから生かされていると言います。
(「小泉進次郎が初めて語る わが青春、わが自民党」『WiLL』2012年9月号)
あとで見るように、このマッチョな根性主義が彼の基本姿勢であり、政治ビジョンや人間観にも反映されます。
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