仕事を急に休まざるをえない不妊治療のリアル

有給休暇を使うなどの工夫ができない事情

不妊治療に急な休みが必要な理由を桜井明弘先生が解説します(写真:Fast&Slow/PIXTA)
5.5組に1組の夫婦が不妊検査や治療をしていると言われています。妊活や不妊治療という言葉は一般化しましたが、実際に何をするかは経験者にしかわからないのが現実です。「不妊治療のリアル」についてリポートしていく本連載。今回のテーマは「治療と仕事の両立」です。筆者は産婦人科医の桜井明弘先生です。

最近では、不妊治療(生殖医療)に理解のある職場や不妊治療のための休暇制度を整えている企業が増えてきていますが、まだまだ社会全体に浸透しているとは言えません。

どうして急に休みを取るのか

妊娠するために治療に本気で取り組もうと、産婦人科を訪れた女性やそのパートナー、そしてカップルの周りの同僚・上司の皆さん、カップルが不妊治療を開始すると、突然のお休み、早退、遅刻、と、仕事に穴を開けてしまう、なかなか仕事との両立ができない、どうしても理解してあげられないなどと思われることも少なくないでしょう。

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不妊治療は当事者だけでなく周囲の人たちにも大きな負担となってしまうのが現状と言えるのではないでしょうか。これから執筆を開始する連載、「不妊治療のリアル」では不妊治療の実態を皆さんと考えていきたいと思います。

今回は不妊治療に取り組むカップル、とくに女性を中心に、どうして休みを急に取らなければならなくなるのか、前もって予定を立て、有給休暇を使うなどの工夫や周りへの配慮ができないのか、と生じる疑問を解決するため、まずは女性の妊娠と、不妊治療はどのような診療が行われているのか、ということをお話しします。

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