その他、自動車業界を見てもGM,フォードも売り上げが堅調で、日本メーカーを巻き込んですべての自動車会社が「Win Win」の状況にあります。アメリカのメーカーは大型車、日本車はエコタイプと完全にすみ分けが出来ており、双方とも順調などと言う状況は過去10年にもありませんでした。これで人口が増えていくわけですから、アメリカ経済にはまさに「ブルーオーシャン」が広がっているわけですね。
アベノミクスは小泉改革を超えられない?
さて、日本はどうでしょう。
こちらは残念ながらブルーオーシャンならぬ、「ブルースカイ」、と言うわけには行きません。4月から始まる消費税増税に備え始めた中小企業は、すでに節約モードに入っており、結局、消費税とはあまり関係ない、輸出大企業だけがウハウハ、という構図が見えています。
そして日本の場合、約3400社ある上場企業だけをみても、海外売上比率が50%を超える・・・つまり円安メリットがあり、消費税増税の影響を受けない・・・と言う企業はわずか280社程度、すなわち8%しかないのです。輸出依存率は高くなったといえども、15%程度なので、残りの85%の経済主体にとっては消費税増税の影響がもろに出ると考えるのが筋。
GDPでみても、個人消費がGDPの60%、その他設備投資、住宅投資などを合わせるとほぼGDPの80%を占めるわけですが、これらはすべて、消費増税の影響を受けざるを得ません。
良かったと言われる昨年7月~9月の法人企業統計をみても、内需関連で見ると公共投資の恩恵をもろに受けた建設、不動産、人材派遣業などが好調ですが、公共投資の恩恵を直接受けない小売、飲食サービス、宿泊、娯楽サービス、広告、教育、医療などの各分野は軒並み前年比マイナス、特に非製造業の中でも最大のボリュームである小売りが前年比マイナスである点は重要で、現在の内需経済の回復が、完全に公共事業に依存していることが分かります。
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