松崎:「若い人たちの支持が欲しいな、女性の支持も欲しいな。じゃあ人気の『ViVi』とコラボするかな」っていう安易さが透けて見えて嫌でした。あとは純粋に違和感が大きかったですね。
原田:違和感?
松崎:そもそも自民党って、女性や若者に寄り添った政策案を掲げているイメージがないじゃないですか。一方の『ViVi』って、私にとっては新しくて自由なファッションを扱う雑誌なんですよ。真逆だからなんでコラボしたんだろう?っていう違和感です。
原田:真逆なモノ同士のコラボは、お互いの弱い部分を補完し合えるので、むしろ広告的には王道なんだと思います。今回のケースが補い合えていたかはわかりませんが。
須藤:確かに保守的な自民党のイメージとはかけ離れたメッセージが多かったのは事実ですが、私はメッセージ自体には好感が持てましたよ。それと、「どんな日本にしたいか」という気持ちを世界で1つのTシャツにしようというアイデアが、斬新でいいと思いました。あまり自民党そのもののアピールには感じられなかったし、若者の気持ちをくみ取ってくれそうな期待が持てるなと。ただ、残念ながら私自身は『ViVi』の読者ではないですが。
いきなりのコラボは雑誌へのマイナスイメージに
原田:僕が他でインタビューした大学生・高校生たちは、政治に親近感を持たせる試みとしてはいいけど、自分の好きな雑誌が自民党とコラボしたら「急にどうした?」と戸惑うと言っている人が多かったんだけど、もし須藤さんが愛読してる雑誌が同じことをやったらどう感じただろう?
須藤:うーん……それは残念な気持ちになるでしょうね。雑誌から心が離れると思います。
あと、私の周囲は全体的にネガティブな受け止め方でした。「『ViVi』買収されてんだな」「自民党にお金で丸め込まれてると思った」「イメージ戦略こわ」といった声が聞かれました。
原田:原田:買収(笑)。買収ではなく、単なる広告行為なんですが、買収に見えるくらい大きなギャップがあった、って、ことなんだろうね。
松崎:にしても、広告費を多く出せる党ほど優位になっちゃいませんか? メディアの影響力を知らない人や、政治にあまり興味のない人は、広告に流されてしまう気がします。
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