意外に、深刻なシーンからコミカルなシーンにつながってもオッケーなんだと思ったり、トレンディドラマじゃないですけど、こんな豪華な家に住まないだろうというところでも、そのほうがドラマとして見やすいかもしれないと思いました。
SFでも、僕は何もかも異次元にしたがるところがありますが、どこか見やすくしてあげないといけないんだと気づきました。そしてやはり美男美女がいい。スタイリッシュな感じを意識して研究してきました。
――脚本家に『けいおん!』『若おかみは小学生!』などで知られ、そして湯浅監督とは『夜明け告げるルーのうた』でタッグを組んだ吉田玲子さんが参加していますが、吉田さんとはどういう風に物語作りを行ったのでしょうか。
最初にどういった方向の作品にするかと納得し合いながら進んでいったので、吉田さんの意見やアイデアもすんなり入ってきましたし、各キャラクターの気持ちの流れなど、しっかり作っていただきました。とても「スムーズにいった」という印象が強いです。
人気のアニメには少女アニメ的なセンスがある
――女性が主人公ということで、スタッフの女性陣がこの作品に寄与した部分はありますか。
この作品は、女の子を主人公にしたほうがいいと思ってましたから。吉田さんをはじめとした女性陣とよく話しながら、お話を作りあげていきました。しかし、プロデューサーなど女性陣が多いのは、結果的にそうなっただけで、作品内容に合わせてというわけではありませんでした。基本的には、男性とも女性とも意識しない感じで、お互いの意見を聞きながら作っていく感じでした。
――本作のコミカライズ作品が小学館のフラワーコミックから刊行されているのも象徴的だと思ったのですが。
あのコミックは発見がありましたね。僕は、姉が持っていた少女マンガを読んでいたので抵抗がないし、どういう感じになるのか興味がありました。でも昔から萩尾望都さんや竹宮惠子さんみたいに、男が読んでも面白いマンガがたくさんありますからね。
――少女マンガを意識しようと思ったことは。
自分も『宇宙戦艦ヤマト』がはやっていたころの、聖悠紀さんのコミカライズ版が好きだったんですよ。もともと自分の作品には少女マンガ的な繊細な描写が少ないなと思っていて、昔からちょっとずつ入れようとはしています。
今、人気のあるアニメを見ると、少女アニメ的なセンスがある。今の人がそういうテイストを求めているのであれば、もっと入れていきたいなと思っています。今回は(キャラクターデザイン・作画監督の)小島崇史くんのデザインのおかげでグッとそっちにいけたかなと思っています。
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