「介護も妻に」と願う定年夫を自立させるには? ホンネは「私にあまり寄りかからないでね」
前回お話しした「両親の介護」について、伝えたいことが多すぎたため、「夫の介護」についてまで触れることができませんでした。
世間一般では、自分が介護になる場合、「妻にお願いしたい」という男性が多いようです。内閣府の『平成30年版 高齢社会白書』によると、男性は「介護が必要になった場合に依頼したい人」として「配偶者」を挙げる人が56.9%と過半数を占めています。一方、女性はといえば、1位は「ヘルパーなどの介護サービスの人」で39.5%、「配偶者」はその約半分の19.3%でした。
夫のことは看るつもりでも「正直、重い」と思う妻
女性の平均寿命のほうが長いうえに、男性が年上のご夫婦が多いので、女性は自分が介護状態になるときには今のパートナーはいないだろうと推測している部分があるとは思います。ただ、男性のアンケート結果には「最後は妻に頼りたい」という、よくいえばかわいらしい、悪くいえば甘えた気持ちが表れているような気がします。
妻の側からすると「最期まで看ますよ、もちろん。でも、全面的に寄りかかられると少し重い」というのが本音ではないでしょうか。まだ介護状態に至らなくても、定年後は妻とべったりくっついて行動したがる夫が出てきますが、これは妻にとってはありがた迷惑です。たぶん、会社のリタイアメントセミナーで「これからは妻や家族を大切に」と聞かされ、「大切に」の仕方がわからずに間違った方向に力を注いでしまっているのだと思います。まさにかつていわれた「濡れ落ち葉」のようです。
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