鈴木大地スポ庁長官が語る「高校野球」の未来

「球数制限」問題など野球界全体で議論を

2019年6月、東洋経済オンラインの取材に応じた、スポーツ庁の鈴木大地長官(東洋経済オンライン編集部撮影)
スポーツ庁の鈴木大地長官は、2018年夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)に端を発した投手の「酷使」問題、「球数制限」議論について、折に触れて発言をしてきた。日本高野連の「投手の障害予防に関する有識者会議」が議論を行っている現時点で、改めて「球数制限」「高校野球のあり方」について話を聞いた。

高校野球も新しい時代に合わせて変化すべき

――新潟県高野連が提起した「球数制限」議論について、どのように見ていますか?

昨年夏の酷暑の中で高校球児たちが長時間にわたってプレーしていたときには、事故や故障につながらなければいいが、と思っていました。2018年夏の大会は、ちょうど100回大会だったと聞いています。メモリアルな大会で、これまでの歴史の中で大きな業績を残してこられたとは思いますが、時代も大きく変わっています。高校野球も新しい時代に対応して変わっていくべきだろうと思っています。

高校野球で奮闘する投手に注目が集まりますが、連戦による「酷使」や「球数制限」も問題になっています。今回は「球数制限」の話をメインにスポーツ庁の鈴木大地長官にインタビューしました。写真はイメージ(写真:m.Taira/PIXTA)  

スポーツは高校時代までやるものではなく、生涯にわたって親しんでもらうものだという観点からすると、小学校、中学校、高校時代に腕やひじなど特定の部位を過度に使って、部活動を終えた時点で2度と高いパフォーマンスが発揮できなくなるような、トレーニングや試合はよくないですね。

部活動は故障やケガがないような形でやってほしい。高校生の体を守るという観点からすれば、投球数だけでなく登板間隔をあけるなど、いろいろなアイデアもあるでしょう。若い人の体をそこで終わらせないようにするのが大事で、その方法論はいろいろあっていい。アメリカの大リーグが導入したピッチスマート(専門家の意見を取り入れた投球に関するガイドライン)も参考になるでしょう。

――指導者や親の間には「甲子園で燃え尽きさせてやりたい」という意見もあります。

そういう声は聞いたことがありますが、人生100年時代です。10代で燃え尽きてほしくないですね。高校を卒業してからも、社会人、大学と競技を続けることができます。いろんな人生があるわけです。

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「野球は高校まで」という区切りをつけたい人がいるかもしれませんが、とくに肉体面でそこで区切りをつけてほしくないと思っています。「燃え尽きろ」は時代錯誤です。

もしかすると「高校で燃え尽きたい」という気持ちは、メディアも含めて、社会がそういう空気を醸成してしまっている可能性もあるでしょう。あるいは監督、コーチがそういう空気を作ってしまっているかもしれない。「お前らここでケガしてもいいだろ、やり抜け」というのは、高校野球指導者のエゴかもしれません。

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