鈴木大地スポ庁長官が語る「高校野球」の未来 「球数制限」問題など野球界全体で議論を

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――新潟県の「球数制限」は、少年野球から高校、大学、社会人、独立リーグまで新潟県野球界の総意として導入が決定された背景もあります。

「それを日本高野連はなぜ認めなかったのか」という疑問はありますね。全体に諮ったら、そういう意見がマジョリティになることはないでしょう。

私は、新潟県は「このままでは野球はまずい」という危機感があって「球数制限」の導入を決めたと聞いています。「チャレンジしてみよう」ということだったと思います。日本高野連には、それに対する代替案はあるのか? あるとすれば、それは何なのか? 野球人口が減っている中で、どういう対策を打つのか? その部分が見えません。野球界はもっと危機感を持ったほうがいいと思います。

キューバ共和国を視察した鈴木大地長官(写真:スポーツ庁提供)

先日視察したキューバでも公園などで野球をするのを見なくなったと聞きました。サッカーの方がボール1つでできますし、子どもも大人もテレビでサッカーを見ている。

野球はグローブなど用具にお金もかかります。キューバですらそういう状況です。キューバは「ベースボール5」という手打ち野球の普及を国を挙げてやっています。

野球界は「野球の未来」というキーワードでそれぞれが考える必要があるでしょう。

「球数制限」の問題も、そこにつながっていると思います。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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