「飲食経験ゼロからCEO」48歳元SEの異色の経歴 大事なのは「世界に目をむける」ことだ

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「彼はアクセサリー会社のオーナーで、ホームページを作ってほしいと頼まれたことがきっかけでした。僕はそういうのは得意だったので……。在庫システムとか商品の注文ができるようなサイトを作って信頼関係を築いていった。転職するという話をしていたら、『うちに来ないか?』と誘われたんです」

思いがけず海外と関わる仕事のチャンスが舞い込んできたのだ。これまで培ってきた経験とは180度反対の業界だからこそ、挑戦しがいもあると感じた。こうして海保さんは34歳でIT業界からファッション業界へ転身を図ることになる。

知識がない業態でも積極的に飛び込んでみる

とはいえ、もともとファッションに興味・関心があるタイプではなかったという。

「キャットストリートの場所も知らなかったぐらい。秋葉原の路地裏にあるハードディスクが安い店ならわかるけど……(笑)。本当に何も知識がない状態で飛び込みました。それは今のウマミバーガーと一緒ですね」

シルバーアクセサリーに特化した輸入代理店の一員として、日本におけるブランドの知名度やイメージ向上のために動くのが海保さんの目下のミッションだった。

百貨店など卸先は徐々に増えていき、デザイナーのいる西海岸に自ら足を運ぶことも。多忙なアメリカ人オーナーに変わって、海保さんは日本支店をすべて任されるような重要なポジションになっていき、アイウェアに下着と、取り扱う商品も幅広く展開していった。

そうして、西海岸と日本を行き来するなかで出合ったのが「ウマミバーガー」だ。

飲食経験ゼロにもかかわらず、海保さんがロスから輸入をもくろんだのは本場のハンバーガーだった。

L.A.生まれの人気ハンバーガーレストラン「UMAMI BURGER(ウマミバーガー)」。アパレルブランドの輸入代理業を生業とする会社にいた海保さんは、西海岸で出合ったそのおいしさに惚れ込み、日本に持って帰ろうと決意する。

そして自身も含め、飲食経験ゼロのスタッフたちとの挑戦がスタートした。

2017年にオープンした日本1号店・ウマミバーガー 青山店(写真:OCEANS)

2017年3月、青山に第1号店をオープンさせるまでは試行錯誤の連続だったと海保さんは振り返る。

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