「飲食経験ゼロからCEO」48歳元SEの異色の経歴 大事なのは「世界に目をむける」ことだ

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海保さんが幼い頃に熱烈に興味を惹かれたのは、パソコンだったという。世の中でまだまだパソコンの認知度が低い時代。コンピューターを初めて見たときの衝撃は、ほとんどひと目惚れのようなものだった。

「パソコンの知識を身に付けることが、これからの働き方には重要だ」と、その必要性を早くから感じ取っていた海保さん(写真:OCEANS)

「小学5年生頃から興味を持ち始めて、雑誌を見てはため息をついていました。当時はマイコン、マイクロコンピューターって言っていましたが。手に入らないなかで本や雑誌で知識だけは増えていって…… 。中学生になってやっと買ってもらえたときは、うれしかったですね」

「パソコンの知識を身に付けることが、これからの働き方には重要だ」と、その必要性を早くから感じ取っていた学生時代。大学入学後もその興味は薄れず、就職活動はシステムエンジニア一本に狙いを定めた。1992~1993年にかけて、バブル崩壊によって日本の経済状況が一変する最中だった。

SE時代に培った経験がチャンスをくれた

「最初から開発に行きたいという気持ちがありました。エンジニアの世界で知識を身に付けて、いずれは商社にいこうと思っていたんです。その頃から海外との貿易や世界と関わる仕事に興味があった」

夢中になってかき集めたパソコンの知識は、意外なところで役に立った。

「面接の際、人事担当の人とコンピューターの機種名やスペックですごく盛り上がったんですよ(笑)。もうとにかく知識だけは持っていたので。それが決め手だったと思います」

運も手伝って大手メーカー系のシステムエンジニアとして採用。最初は転職も視野に入れていたが、気づけば12年。すっかりベテランと呼ばれる域にまで到達していた。34歳で転職を決めたのは、いったいなぜだったのだろう。

「30歳を過ぎてシステムエンジニアにおける分岐点を迎えたんです。業界的な慣習ですが、この頃になると開発は若手に任せて、古株は営業に回されるようになる。現場を離れる35歳が区切りかなと考えていました」

どうせ転職するのなら新しいことに挑戦したい。そう考えていた矢先に声をかけてきたのは、仕事で親交のあったアメリカ人だ。

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