「飲食経験ゼロからCEO」48歳元SEの異色の経歴 大事なのは「世界に目をむける」ことだ

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「ウマミバーガーの本部と直接やりとりをして、社内スタッフをアメリカに派遣し、日本にスキルを持って帰ってきてオープン……と流れを口で言ってしまえば簡単に聞こえますが、結構苦労しましたね」

洗練されたダイナー。清潔感のある気持ちのいいスペースとなっている(写真:OCEANS)

サンタモニカ店をベースにしたという青山店は、いわゆるハンバーガーショップ然とした雰囲気ではなく、小洒落たレストランのように落ち着いた空気が流れている。しかし、そこには本部との隠れた攻防戦があったのだとか。

「店舗のデザインコンセプトが定まらないなか、店内に忍者の絵を描いてほしいとか、盆栽を置いてはどうか、と本部から言われたり、いろいろありました(笑)。でも、それじゃあ日本人が来たいと思う店舗にならない。私もデザインに口を出したりして、根気強く交渉してオープンまでこぎつけましたね」

飲食業未経験のスタッフだからこそできたこと

日米間での積極的な意見交換があったからこそ、オリジナルとカスタマイズとをうまく混ぜ合わせた現在の店舗が完成した。もちろん「うまみ」というキーワードの軸はぶらさずに。

店内には屋号である「UMAMI」の文字。こちらは実際にサンタモニカ店にもあるデザイン(写真:OCEANS)

飲食業未経験のスタッフばかりで苦労はなかったのだろうか?

「プロジェクトに参加したのは、シェフを除いて全員アパレル出身。たしかに運営のハードルは高かったと思います。ただ、何も知らないからこそ素直な気持ちで、ウマミバーガーの味や雰囲気をアメリカから日本に持ってくることに邁進できたんじゃないかと思います。飲食業の出身者だったら、日本のシステムでは……とか、考えちゃいそうじゃないですか。とはいえ、大変だったのは間違いないですけどね」

試行錯誤を繰り返した甲斐もあり、オープンして以来、メニューの質も店舗の雰囲気も、アメリカ本部からの評価はとてもいいという。

「パティの味は本国とまったく同じに再現しています。さらに日本オリジナルなのが、バンズ。日本人の口に合うように……という点を加味して作りました。日本のバンズはうまい、と向こうのシェフにお墨付きをもらえたときはうれしかったですね」

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