「電子ゴミ」を美術品に変える男のガーナ奮闘記

不法投棄された物をお金に変え世界を変える

サステイナブルを合い言葉に活動する美術家・長坂真護氏(写真:福田秀世)

真っ白な壁に掛けられた1枚の黒ずんだ絵。よく見ると、その絵は、携帯電話やパソコンのキーボード、デジタルカメラ、ゲーム機のコントローラーなど「電気・電子機器廃棄物(以下、電子ゴミ)」で埋め尽くされている。さらに、その作品には、うっすらと赤と黄と緑のペイントが上塗りされ、中心には大きな星が配置されている。

『サステイナブル・キャピタリズム』(写真:福田秀世)

ガーナの国旗をモチーフにしたその作品のタイトルは、『サステイナブル・キャピタリズム』。この絵の作者は、『世界平和と環境保全の創造』をスローガンに掲げ、支援活動も行う美術家・長坂真護(ながさか まご)だ。

電子ゴミの墓場「アグボグブロシー」

絵のモチーフになっているガーナ共和国の首都アクラには、不法投棄された電子ゴミが世界中から集まる場所がある。「アグボグブロシー」と呼ばれるその地域は、別名「電子ゴミの墓場」とも言われ、貧困に苦しむ若者たちが、ゴミを燃やして得たわずかな金属を売って生活しているという。そこで働くものたちは、有害な煙にさらされており、若くして命を落とすことも多い。

アグボグブロシーにいたゴミを抱える子ども(写真:福田秀世)

長坂が最初にこの事実を知ったのは、2016年夏のことだった。

ある雑誌に載っていた、ゴミを抱える少女の写真。

それを見た瞬間、血が騒ぎ、現地へ行きたいという衝動に駆られたという。

「先進国のゴミを切り売りしながら生活している子どもたちがいるんです。圧倒的におかしなことが起こっていると感じ、すぐにそこに行って確かめたいと思いました。僕は気になったら必ず、そこに行くようにしています。

そして、実際に起きていることを自分の目で確かめるんです。そこにある問題を解決していくのが、世の中に本当に求められていることなんじゃないかなと思っています」

2017年6月、長坂はその事実を確かめるために、単身ガーナに向かった。

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