「電子ゴミ」を美術品に変える男のガーナ奮闘記 不法投棄された物をお金に変え世界を変える
「『僕は絵描きだから、作品で判断してください』なんて、そんなリアリティのない作品を作る気はありません。僕は、いま何をやっているかって聞かれたら、『サステイナブル・キャピタリズム』と答えます。
僕はただの絵描きじゃないし、ただの偽善者でもない。もちろん、ただの環境保全者でもないし、ただの経営者でもない。ゴミを使って作品をつくり、その作品の売り上げで学校を運営し、将来はリサイクル工場を作る。お金を稼いでそのお金で地球をきれいにして、いろいろな人を幸せにしたい」
課題解決型のアーティスト
世界でいま最も注目を集める芸術家であるバンクシーが、ダークユーモアがあって風刺性が高い「問題提起型」のアーティストだとしたら、長坂真護は、現実的で問題意識のある「課題解決型」アーティストと言えるかもしれない。
長坂は、アグボグブロシーにリサイクル工場を作ることについても、決してただの慈善事業でも、ただの創作活動でもないと強調する。
「ガーナには世界中の鉄くずが集まる場所があります。世界中探してもそんなところはない。しかも労働力はある。そこにリサイクル工場があったら、世界屈指のエコロジーな国になると思います」
環境汚染が進むガーナは、日本人美術家の力によって、変わるのだろうか。彼の取り組みが成功したとき、世界の大きな環境課題の1つは解決に向かうだろう。
(文中敬称略)
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