歴代の彼氏は全員外国人!
井上さんによれば、海外に出ると状況は一変する。アジア人女性は基本的にモテるのに加え、英語でコミュニケーションができて明るくて優秀だと、インテリ男性たちは「完全に振り切れる」という。学生時代から国内外を行き来してきた井上さんの歴代彼氏は、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、東南アジアとほぼすべて外国人。海外でしばらく生活していると、すてきな男性がわかりやすくアプローチしてくれるのだ。
「日本に帰って来るたびに『ないなー、何にもないなー』と思っています。明るく賢いという要素が通用しない男性の割合が高すぎます。かわいい女の子から『教えて、わかんない、すごい』と見上げられてうれしい気持ちはわかりますよ。でも、その割合は半々ぐらいでもよくないですか?」
家族の意向もあり、結婚するならば日本人がいいと語る井上さん。恋愛マーケティングで攻めあぐねているのに加え、男性に求める基準が知らぬうちに上がってしまっていることも自覚している。
「学校でも会社でも、面白い人に囲まれ過ぎていると感じています。一単語ごとに『それ何?』と説明を求められるようなことはなく、会話がポンポンとストレスなく弾む環境です。たまには私が何かを教えることもあれば、教えてもらうこともある。仕事にもプライベートにもバイタリティにあふれている人が多くて、それぞれ何か得意なことを持っている。話しているだけで刺激をもらえるし、自分も頑張ろうと思えるのです。世の中全体ではこれが普通ではないんだと、最近、気づきました」
高校生時代から親友レベルの男友達が数人いたという井上さん。異性として見ることはなかった。しかし、学生時代に年上女性から「男友達は結婚すると離れていく。いい男は早めにつかまえておくべき」とアドバイスされたことを今になってかみしめている。
「昨年、すごく仲良かった男友達3人がそれぞれ結婚したんです。1対1で付き合える親しい友人です。もちろん、『おめでとう』とは思うけれど、3人が示し合わせたように1年のうちに結婚したので、なんだか寂しかったです。今でも仲は良くてみんなで集まったときに『こういう雰囲気が好き!』と思います。でも、2人で気軽に食事に行くわけにはいかないし、夜中に『ちょっと聞いてよ!』と電話することもできなくなりました。友達は友達、と言っている場合じゃないんですね」
寂しくなってきた井上さんが注目しているのは、大学などに生息する研究者たちだ。甲斐性の有無は定かではないが、研究分野という得意なことがあるのは明らか。博士課程を持つ井上さんが会話の用語レベルを落とす必要もない。幸いなことに、現在の仕事では研究者たちと接することもある。チャンスだ、井上さん。
「でも、私からは言えません。男性からアプローチしてほしいです。友達からは『あなたは男の扱いがひどそうなので紹介できない』と言われていますが、そんなことはありませんよ。確かに恋人になれるかの判断は早いと思いますが、失礼なことはしません」
日本人男性に関して明るく悩む井上さんの話を聞いていて、僕はあることに気づいた。2014年現在のエリート美女たちは、「エリートの父親と専業主婦の母親が築いた温かい家庭」ですくすくと育った確率が高く、男女関係や家庭の理想像に両親を想定していることが少なくない。学歴とキャリアは父親をしのぐほどに成長した一方で、気持ちの面では母親の影響が色濃い。だからこそ引き裂かれるのだ。
そのジレンマと哀しみは彼女たちの人間味と魅力を増している気がする。会話が異様に楽しい井上さんと、次回はもっとカジュアルな店で飲みたいと思った。
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