「会社でキレる人」が生産性を下げる科学的根拠

日本人は「時代遅れの考え」にとらわれている

子どもや部下によい結果を出させようと「怒る」ことは、はたして本当に効果的でしょうか?(写真:horiphoto/PIXTA)  
なぜ本当にできる人は、不機嫌にならないのか? 「職場の無礼さ」の研究に20年を捧げた著者の集大成となる『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』が6月21日から電子書籍で先行配信となる。このたび本書の翻訳を担当した夏目大氏が、なぜ「いま」日本人にこの本が役に立つのかを解説する。

怒りで人を支配するという時代遅れの考え方

最近、プロ野球のある有名選手が、少年野球の現状に苦言を呈した。

「指導する大人が暴言や罵声を浴びせながら教えている。子どもはできないのが当たり前なのに、それを怒るのはおかしい」と。

『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』電子版が先行配信中 (書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

私の子どもの頃ならば、怒鳴り散らして教える鬼コーチを「おかしい」と言う人はほとんどいなかった。何しろスポ根全盛の時代だ。漫画やドラマの世界にも「怒鳴られ、時には殴られながら、選手たちは成長していきました」という物語が多くあったし、現実にもそういう逸話が語られ、非難されるどころかむしろ称賛されていたように思う。

少年野球と同じようなことは、日本の駅やお店、会社のなかでいまも見られる。

仕事ができない部下を叱責する上司、接客が不十分な店員を叱る店長、駅の混雑のさばきが適切でないと駅員に詰め寄る乗客など、きっとあなたも、目にしたことがあるだろう。

しかし時代は変わった。怒ったり怒鳴ったりすることに何の意味がある? もちろん殴るなんてもってのほか、という意見に耳を傾け、賛同する人が増えたように思える。

「人を従わせようと望む者は、命令の仕方を知る必要がある」「愛されるよりも恐れられるほうがはるかに安全だ」。これは、目的のためならどんな手段も辞さない冷徹な人の代表格と見なされているマキャベリの言葉である。

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