就活「インターンから早期選考」常態化の実態 8割以上の学生が「参加は有利」と感じている

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もちろんインターンシップに参加した学生の中に「有利ではない」と考える者もいる。ただし、その割合は「有利」とする学生の7分の1もない。

下記に「有利ではない」とする理由も紹介するが、優遇されずに落とされた経験を挙げている。「有利」とする学生の理由も個人的な経験だった。当たり前だが、すべての学生にとってインターンシップが有利に働くということではないようだ。

「完全に企業によると思う。座談会や特別イベントへの案内は多いが、内定直結などはなかったため」(中央大学・文系)

「インターンシップに参加しても選考で落とされたため」(大阪大学・文系)

「インターンシップに参加した企業はすべて書類で不合格になっているので」(茨城大学・理系)

インターンシップが就活の「高速バイパス」に

これまでの就活は、規制が多くて渋滞する場所で競技するのに似ていると思う。採用広報の解禁、採用選考の解禁が一斉に始まるので、就活生はその混雑に苦しんできた。

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しかし、ほかのルートがないのだから仕方がない。就職したければ、プレエントリーや会社説明会などの正規ルートに乗らなくてはならない。そして、過度の集中によって渋滞が発生する。

しかし、2020年卒でインターンシップが進化し、新たな就活ルートができたようだ。インターンシップに参加した就活生はプレエントリーや説明会予約を自分でやらなくても、エスカレーター式に就活ステップが進んでいく。説明会に出席しなくても選考に進めるし、面接回数も少なくて済むこともあるようだ。インターンシップは就活の高速バイパスと化しているように見える。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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