すぐ辞める若者の「扱い方」の超基本3ステップ 若者の不満をためないコミュニケーション
まずは若者にちょっと近づくための、日々のベーシックなコミュニケーションです。ポイントは、コミュニケーションの「質より量」を意識すること。最近の若者は雑談が苦手だとか、興味のない話をしたがらないなどといわれます。皆さんの職場にも、黙々とデスクに向かっていて「話しかけないでオーラ」が出まくっている若者がいるかもしれません。
でも、だからといってオトナが距離をとってしまうと、結局、若者が理解できずに気を使う毎日が続いてしまいます。それに、若者は人と関わることが嫌いなわけではありません。面倒なタテの人間関係が苦手なだけで、「居心地のいいフラットな人間関係」自体は強く求めています。
今、職場のマネジメント層に求められているのは、若者の「居場所を作り出すこと」と言っても過言ではありません。
上下関係を意識させると距離が遠のく
1、一人ひとりを意識した個人レベルの対応
職場での呼び方は、かなり重要なコミュニケーションツールです。まずは、肩書きや役職の問題。ヨコ社会に馴染む若者にとって、肩書きや役職は「職務の違い」を示すものでしかありません。どちらかというと、人間性でオトナを判断しています。なのに、わざわざ「課長とヒラ」のような上下関係を意識させると、距離が遠のいてしまうのです。若者とヨコ社会的な関係を築くのであれば、「店長」「課長」などの役職で呼ぶ文化はなくしたほうがいいでしょう。
私がよくやるのは、会議などであえて名前を呼んであげること。「今、○○さんが言ってくれたみたいに……」などと、わざわざ言うんです。これは、私自身が上司にされて嬉しかった実体験を基にしています。ささいなことのように思えるかもしれませんが、こうやって相手の存在をしっかりと認めることは、案外、大事です。
2、上から目線ではないフラット目線
若者は、例えばインスタグラムでフォロワーが自分に何も反応しなくなると不安でたまりません。それと同じで、職場でも「見てもらえている」かどうかを、かなりセンシティブに捉えています。
アルバイトの定着率が極めて高い居酒屋チェーンで店長を務める女性(27歳)は、「コミュニケーションは数」だと言っていました。彼女もまだ20代の若者なのですが、飲食店の接客コンテンスト「S1サーバーグランプリ」での優勝経験もあるカリスマ店長。従業員満足を顧客満足につなげる若者マネジメントの上級者です。
飲食店のアルバイトは、全産業の中でもとくに人手不足が著しく、定着させるのも簡単ではありません。そんな中で彼女が若者の心を掴んでいるのは、マメなコミュニケーションで相手の存在を認め、「自分に居場所がある」と思わせているからではないでしょうか。
3、レスポンスの重要性
若者からの報告や相談がメールであったとき、「ちゃんと答えないとマズいから、後にしよう」なんて1日寝かせたりした経験はないでしょうか。プレイングマネジャーだったりすると、自分の仕事も忙しいので、なかなかすぐには返答できない場面もありますよね。そんなときは、素早くベストな回答をしようとせず、一言だけでも即レスしておけばOKです。
「ありがとう」とか「後で返すね」と送るだけで、相手には「ちゃんと見ているよ」というメッセージは伝わります。少なくとも、オトナ側の事情で寝かせたりするより、よっぽどマシに見えるはずです。
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