国交省"公認"の海運カルテル、なぜ問題に 日本郵船など4社に課徴金220億円

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縮小

実は海運の中でも国際運送を担う「外航」では、海上運送法に基づいて国土交通省にカルテルの事前届け出を行えば違反行為に認定されない、という独禁法の適用除外制度がある。いわば、カルテルが一定の要件の下に"公認"されているわけだ。

外航海運には運航会社の国籍に関係なく新規参入や路線設定・改廃等を自由に行える「海運自由の原則」があり、「世界単一市場で、参入も比較的容易なため供給過剰になりやすく、破壊的な競争が行われやすい。そうした中でカルテルに対する適用除外が認められている」(国交省)。

これに対し、公取委では「独禁法の適用除外は、そもそも縮小撤廃していくのが基本方針。その一環として、適用除外が残る外航海運について調査してきた」と説明する。事前届け出による外航海運でのカルテル適用除外は米国では存続しているが、欧州連合(EU)では共通の運賃レートを定める価格カルテルについて2008年に適用除外制度を廃止済みだ。

事前届け出をしていなかった

公取委は外航海運の独禁法適用除外制度を見直すべく、2010年6月に閣議決定された「規制・制度改革に係る対処方針」を受けて国交省と協議してきた。が、11年6月に発表された結論としては、外航海運の独禁法適用除外制度は当面維持し、公取委と国交省が協議しつつ、15年度に再度、見直しを検討するということで先延ばしされている。

なぜ今回は排除措置命令と課徴金納付命令が事前通知される事態となったのか。それは、国交省への事前届け出がなされていなかったからだ。海運カルテルの独禁法適用除外に慣れてきた海運各社にとっては、そこに油断があったともいえる。

日本郵船は事前通知書を受け取った直後、課徴金納付に備えて引当金135億円を特別損失計上すると発表。日本郵船の今2014年3月期の当期純利益見通しは300億円(課徴金の引当金を含まない数字)なので、インパクトは小さくない。川崎汽船の今期の当期純利益見通しは160億円。同社は課徴金による損失額を明らかにしていないが、50億円程度になるとみられている。

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