小学校受験に挑む親子が得られる人間力の本質 単に問題を解き学歴を得るだけが大事じゃない

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小学校受験で培われるのは子どもの「人間力」です(写真:筆者提供)
「小学校受験」「お受験」と聞くと「一部の特別な家庭だけの話」と思う人は少なくないかもしれません。毎年、今ごろの時期は各地の名門小学校で学校説明会が開かれ、夏には願書配布、秋以降に受験が本格化していきます。
小学校受験を経験した親子が得られるものはなんなのか。知られざる小学校受験の世界。『小学校受験バイブル 賢い子育てをするために』の著者、二宮未央氏が解説します。

小学校受験を通して子どもは精神的に成長する

「息子は物事をすぐに諦めてしまう性格であったけれど、忍耐強くなった」

「引っ込み思案であった娘が、積極的に友達に話しかけられるようになった」

「落ち着きのなかった息子が、静と動の区別をつけられるようになった」

小学校受験を終え1年が経った35人の保護者に、小学校受験で得られたものは何かというアンケートを取ると、受験の合否とは別に、35人全員が「受験を経験したことで、子どもの精神面での成長を感じている」と答えました。

「非認知能力」という言葉をご存じでしょうか。子どもが小学校受験に勝つために必要な力であり、小学校受験対策をすることで得られるものが、まさにこれです。

数が数えられる、字が書ける、ものが覚えられる、論理的思考ができるなど、IQ(知能指数)に代表される「認知的能力」は、人生を生き抜く上において、もちろん重要です。一方で、近年では認知的能力の高さだけが人の生涯を左右するのではないという研究・知見も数多く報告されています。

例えば国立教育政策研究所は2017年3月、「非認知的(社会的情緒力)能力の発達と科学的検討手法についての研究に関する報告書」を発表しました。

この中で詳しく論じられた主題の一つが「非認知的能力」であり、IQなどでは測れない人間の内面の力です。

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