27歳で起業し失敗→転職した男性が学んだこと

起業したからこそ今の自分がある

「明確なビジョンを考えずに起業してしまったのが失敗のいちばんの原因。目の前のことに追われているうちに、利益を上げることが目的になってしまい、いつしか社会貢献や自己成長の意識が薄れてしまった。本来やりたかった不動産業界のインターネット広告にフォーカスして愚直にやり続けていれば、もしかしたら違う結果になっていたかもしれないと今は思いますね」(小原氏)

とはいえ、すぐに転職することは考えられず、事業を継続する方法を模索していた。そんな小原氏の心境が変わったきっかけは、freeeからのスカウトだった。担当者と面談した際に「こんな面白い人と働いてみたい」と強く思い、会社員に戻る決断をする。

ビジョンの重要性を痛感した

こうした起業の失敗を通して、小原氏は“仲間の大切さ”に改めて気づいた。

「起業してみて、『組織で人と働くことがいかに重要なことか』わかりました。自分1人のときは、取引先との関わりはあるものの刺激が少なく視野が狭くなっていた。今は元起業家や多彩なスキルをもったメンバーと共に働くことでいい刺激を受けている。仲間の大切さを再認識したからこそ、自分とは違う発想や意見を積極的に取り入れていけるようになりました。

会社員に戻っていちばん変わったのは、フィードバックに対しての姿勢。経営者になってから、他者からアドバイスを受ける機会が極端に減ったと感じていた。freeeにはフィードバックの文化があり、『ここをこう直せば、もっと成長できる』という客観的な指摘を受けられることが新鮮でした。自分の弱い部分をさらけだせる環境だからこそ、自身の成長につなげられると感じています」

「会社員に戻ってフィードバックを受けられることが新鮮」と話す小原氏(撮影:梅谷秀司)

また、失敗のいちばんの原因に挙げていたようにビジョンの重要性を痛感した小原氏。「5年後、10年後のビジョンの実現に向けて、段階的に進んでいくという感覚を作るのが大切だと改めて感じた」。そのことが、事業部長として売り上げ目標や「いつまでに何をするべきか」ということをチームに浸透させ、部下の士気を高めるうえで役立っているという。

さらに、「精神的にタフになった」とも語る。突発的な事象に対する対応力も高まった。「予想外のことが起きるのも、うまくいかないのも当たり前」と捉え、すぐに次の手段を考えるようになった。事業の流れをすべて“自分事”として捉えるようにもなった。

そして何より、失敗を前向きなチャレンジの結果と捉えるようになった。「起業してさまざまなことを経験したからこそ、失敗との向き合い方が変わった。だからこそ、チャレンジして失敗すること。そして、『なぜ失敗したのか』をしっかりと振り返ることが重要だと思う。失敗が結果的にいい経験だったと思えるように、前向きな行動につなげていくことが大切ではないでしょうか」(小原氏)。

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