27歳で起業し失敗→転職した男性が学んだこと 起業したからこそ今の自分がある
目先の利益にとらわれるように
大学時代から「いつか起業したい」と思っていたという小原氏。新卒で不動産業界向けクラウドサービスを手がける「いい生活」に入社する。その後、セールスフォース・ドットコムに転職するも「自分が本当にやりたいことは何だろう」と自問自答するように。そこで、1社目在職時にクライアントからインターネット広告に関する相談を受けていたことから「不動産業界の課題を解決したい」と2012年に起業する。27歳のときだった。
当初、不動産業界向けのウェブマーケティング支援を主軸とし、事業は順調だった。そこで、さらなる事業拡大を目指すべく、多角的に事業を展開するようになる。ECサイトの運営や芸能関係のオーディションサイトの制作など、少しずつ事業の幅を広げていった。
しかし、いずれも売り上げ増は限定的。「半年くらい利益を出したかと思うとすぐに途切れたり、利益率が高いお客様が急にいなくなったりした」(小原氏)。そうした中、いつしか目先の利益にとらわれ、資金繰りに追われるようになってしまったという。
取引を開始したものの実際の契約内容と異なる部分があり、取引先ともめることも多々あった。売掛金を予定どおり回収できず、200万円の予定が50万円しか入金されないことも。そうしたトラブル対応に忙殺されているうちに、「今後何を目指していくべきか曖昧になってきた」のが起業2年目の終わり頃だ。小原氏は当時を次のように振り返る。
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