吉田カバンと土屋鞄はこんなにも進化している 軽量化や防水が進み、「リュック」も充実
近年の同社展示会ではリュック型も目立つ。都市部でリュックを背負い電車通勤する人が増えたのもあるだろう。事情はそれぞれだが、「両手が自由になる」「最近はリュックでないと荷物が入らない」という声は聞く。今回、目を引いたのは2シリーズあった。
1つは「ポーター フォーダブル」(今秋発売)というシリーズ。普段はサコッシュ(フランス語でカバンや袋)の背胴側に収納されているバッグが、広げるとデイパックやトートバッグやショルダーバッグ(商品は3タイプある)に使えるものだ。
「素材はコットンポリエステルで軽く、薄いながらも引き裂き強度に優れ、伸縮がしやすくなっています」(広報部の岡田博之氏)
出張や展示会の視察などで、予想以上に荷物が増えたときでも対応できそうだ。
もう1つは「ポーター エヴォ」(今秋発売)というシリーズ。8タイプあり、B4サイズの商品は15インチのPC、A4サイズは13インチのPC対応を訴求している。
展示会で配られた同商品の説明文には、「スーツスタイル、カジュアルビジネススタイルにも取り入れやすい」「カバン全体を軽く仕上げており、ファスナーや金具も軽量の素材を使った」という記述もあり、実際に持ってみると軽い。より軽量も最近の傾向だ。
消費者がカバンに求める「機能」
近年の消費者意識を吉田カバンはどう考えているのか。阿部氏はこう説明する。
「お客さまが吉田カバンに求める機能では、例えばノートパソコンやタブレット端末がきちんと収納できるかを気にする人が多いです。一時は重要なデータ流出を防ぐため、パソコンなどを持ち出し禁止にした会社も目立ちましたが、オフィスを離れても仕事ができる利便性は無視できず、クラウド化が進んだことで緩和されたように感じます」
スマートフォン1台でほとんどのことができる時代とはいえ、スマホの紛失リスクや画面の見やすさの巧拙もあり、パソコンを併用する人は多い。
また、これからの季節は荷物が増える傾向にある。熱中症対策でペットボトル飲料を携帯する人が増え、降雨やゲリラ雷雨に備えて、晴天でも折りたたみ傘を常備する人も目立つ。
そうなるとカバンに求められるのは、カバン自体の軽さや防水性もある。「ポーター エヴォ」でも強度と撥水性を訴求する。
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